遊んじゃいました

2009年02月26日

2月17日から22日までの6日間、横浜市石川町のアートギャラリーアスレにて作品展を開催しました。

昨年の3月にも同じ場所で展覧会を開きましたが、そのときの反省点のひとつは展示作品の構成が少々堅苦しかったこと。真面目に仕事はしているけれど明るさや楽しさに欠ける、という印象がありました。
来場者を笑わせようとは思いませんが、楽しんで帰ってもらいたいというくらいのサービス精神は僕だって持ち合わせています。では人を楽しませるにはどうしたらよいのでしょうか?

かつて長女がまだ幼稚園児だったころ、いつも工房で絵を描いている僕を見て、「パパ、毎日遊んでていいね」と言いました。「遊んでるんじゃないよ。これが仕事なんだ」と言うと、「じゃ私も仕事する」と言って隣で絵を描き散らし、それ以来「仕事、仕事」と言っては僕の隣で絵を描くという状態がしばらく続きました。

これがこの種の仕事の素晴らしさ、遊んでるんだか仕事してるんだか、傍目にはもちろん自分でも区別がつかないことがあります。こんなことで人様からお金をいただいてよいものだろうかと心配になるような仕事ぶり、この感覚を近頃忘れていたような気がします。

人を楽しませるには、まず自分が楽しむこと。
そんなわけで、遊んじゃいました。
売ろうとか、どう思われるかとか考えずに、思い切りというほどじゃありませんが少々遊びながら今回の展覧会用に作った小品が13点。コメントを付けて紹介します。

b-13-2.jpg一番最初に作ったものです。
花か葉っぱか?とにかく春らしいイメージ。
このシリーズ全体をこんな感じでいこうと思いましたが、なぜかあとが続きませんでした。

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ステンドグラスデザイン太陽の光が恋しくて、暗い海の底に住む生きものが水面に顔を出しました。
自分の命が危険にさらされていることも知らずに・・・、ちょっと暗いぞ!

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ステンドグラスデザインん~、何だろうこれ?
赤い色を見ると眠くなる僕が、睡魔と闘いながら知らない内に出来たデザインです。

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ステンドグラスデザイン水の惑星に降り注ぐ光の粒・・・。
多分そこから命が生まれたんだと思う。

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ステンドグラスデザインピースウサギ。
最初は明らかにウサギだったけど、それじゃつまらないと思ってキツネかネコにも見えるようにしました。
ちなみにピースは逆ピース。
相手に手の甲を向けています。最近の高校生はこれです。

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b-13-7.jpg植物的。
ちょっと花札の図柄を思い出してしまったもので、どこかにイメージが残っているような気がします。

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ステンドグラスデザインデザイン室に差し込む春のような陽射し。
南の方ではもうサクラが咲いたってね。
突然 具象的になってしまいました。

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ステンドグラスデザイン昨年秋南フランスで見たマチスのステンドグラス。
ちょっとだけそのイメージを借りました。ゴメンナサイ。

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ステンドグラスデザイン中学生の時に描いたポスターを思い出しながら再現してみました。
先生が気恥ずかしくなるほど褒めてくれたっけ。
褒められると調子にのるタイプだから、ここまで続けてこれたんだろうな。

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ステンドグラスデザインヴィルスは陽気に増殖する。
人類はヴィルスと共存すべき。
地球上から消滅させようなんて考えたら、たいへんな逆襲にあうと思うよ。

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ステンドグラスデザイン寒さは天からやってきます。
中空を舞う分子の活動が止まると地が凍りつき、天と地がひとつのものになります。意味わからん。

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ステンドグラスデザインこの木なんの木実のなる木。
りんごのようなそうでもないような・・・。
見たことのない花が咲いたあとの姿です。

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ステンドグラスデザイン子供のときから葉っぱが好きで、たくさん描いてきました。
一枚一枚の葉っぱに別々の魂が宿っている気がしてました。

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この13点の作品は真鍮枠に囲まれていて、上下に穴が開けられているので連続して吊るすことができます。
大きさは180㎜×180㎜、販売価格は36750円 。4点が気に入っていただいた方の家へもらわれていきました。さようなら、またいつか会えるときまで。

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北海道のいいところーその1-

2009年02月05日

昨年末のテレビニュース、お節料理も夕方までにつくり終わり茶の間でソファーに寝転がって見ていたら、日比谷公園の「年越し派遣村」の様子が映し出されました。僕の知人にも、務めていた北海道の会社が倒産し本州へ出稼ぎに行った人間が何人もいます。あの人たちはどうしているだろう?ニュース画像のどこかに映ってやしないかと心配になって目を凝らしました。

レポーターのインタビューに答えた人の何人かは、故郷に帰る金もないと言ってました。それもそうかもしれませんが、それ以上に故郷に帰ってもどうしようもないというのが本音じゃないでしょうか。特に今、北海道で職を見つけるのは非常に困難です。さらに冬のこの時期、公園や路上で一夜を過ごすのはほとんど自殺行為です。

時折、何を好んで自分は北海道に住んでいるのだろうと思うことがあります。
年を重ねるごとに冬の寒さと除雪のしんどさが身に応えます。それに加えて灯油代の高さや様々な冬支度に費やす費用が家計を圧迫します。
肝心のステンドグラスの仕事は、北海道内での需要が激減し、本州からの注文に頼らざるを得ません。

かつては中国に活路を見出して活動したこともありました。上海に工房を作り、街並や温暖な気候も気に入って、一時は家族と共に移住しても良いとさえ思いましたが、色々あって現在は中断しています。

しかしその中国では、最近急に北海道に注目し始めました。
きっかけは道東を舞台にした中国映画「非誠勿擾」(フェイチェンウーラオ)です。この映画は主演の男女が映画の後半で北海道に渡りクライマックスを迎えるというもので、このクライマックスに知床などが登場するそうです。昨年12月に中国で封切られ、現在も大ヒット中。映画のロケ現場を巡る中国人ツアー客が大勢押し寄せているとのことです。
この映画を見た中国広東省のトップ汪洋書記長は、「北海道の山紫水明は感動的だ。広東省は経済成長優先で土地を使い果たし、空気も水も食べ物も汚染問題を抱えている。北海道のように工業化が進む一方で、自然環境が保護されているところに嫉妬を感じる」と語っています。(1月12日付北海道新聞)

その知床で個性的なステンドグラスの制作を続けている人がいます。僕から見ても羨ましい創作環境です。日本で一番東にあるステンドグラス工房です。

http://shiretoko.muratasystem.or.jp/shiretoko-glass/index.html

長所と短所は表裏一体と言いますが、北海道の場合も正にその通りです。寒さや人口の少なさ、エネルギー政策と工業化や交通網整備の立ち遅れは、かつては大きな短所のように言われてきましたが、現在それこそが北海道の最大の長所でもあります。
農業、漁業を大切にし、むやみな開発を控え、自然の中を縦横に走る鉄道や道路の建設は最低限に抑えてきました。炭鉱の閉山や鉄道路線の廃止という大きな代償も払っており、その影響の直撃を受けた夕張市の破綻は全国的に有名になりました。この現状は意図した結果とは違っているかもわかりませんが、そう遠くない未来において、怪我の功名、この方が良かったということになりそうな気がします。

冬に積もる大量の雪は、農家の人たちを休ませてくれます。
雪融け水のおかげで夏場の水不足はなく、クーラー使いすぎの電力不足もありません。
春の梅雨はなく、秋の台風もなく、まれに北海道に到達する台風は”熱帯性低気圧”に成り下がっていることがほとんどです。
道路の渋滞がなく、高速道路はがら空き(必要なかったかも)、満員電車も食べ物屋の行列もありません。
日本全国で食料自給率が100%を越えている都道府県は5箇所だけ、中でも北海道は自給率200%の断然トップです。食料の豊かさは誰もが知るところです。

北海道 樹氷 ダイヤモンドダスト街の中心から10分も車を走らせれば大自然の中、次の街まで人気のない畑や野原が延々と続きます。
知床まで行かなくたって、樹氷やダイヤモンドダストくらいなら工房の向かいの空き地でも見ることができます。
厳しい冬が時折見せるきらめくような光景は、冷え切った手足や除雪で痛む腰のことも、残り少ない灯油タンクや銀行預金のことも忘れて、ただただ無条件に幸福な気分に浸らせてくれます。

北海道 ス�ー場
我が家から車で30分のところに、スキー場があります。リフト2基、ゲレンデ3面の小さなスキー場ですが、小学生の三女と僕が遊ぶには格好の場所です。何よりご覧の通りの貸切状態、リフトに並ぶこともなく、他人とぶつかる心配もありません。(経営は大丈夫?)
もう少し遠くまで行くと、夕張マウントレースイスキー場があり、こちらも今年は中国からの観光客で賑わっています。スキーをするのは初めてどころか、雪を見るのも初めてという人が多いそうです。

今日から札幌雪祭り、一週間の会期中に札幌市の人口より多い200万人以上の人が見物に訪れます。巷では観光客の誘致に必死ですが、否応なしに北海道から出て行ったまま帰って来れない人たちのことを忘れてはいけないと思います。彼らを呼び戻すことはできないでしょうか?
北海道で職探しは確かに難しいですが、本州にいても仕事がないなら同じことです。家族や友人のいる北海道が安心に決まっています。

北海道にいる限り、食べ物に困ることはありません。なにせ自給率200%です。我が家では、あちらこちらからいただいたジャガイモにかぼちゃ、大根、豆類、とうきびなどに不自由することはなく、その他ワカメに昆布、自家製のジャムと漬物、時折牛乳や卵、チーズ、ハム、ソーセージなどいただき、鮭やイクラも途切れることがないほどいただいて、たいへんに助かっています。
「北海道に帰ってこいよ~!あとはなんとかなるからさ~」

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