展覧会が始まって二日目の夜、斉藤花さんが会場でミニコンサートを開いてくれました。
斉藤花さんといえば、知る人ぞ知る近頃売れっ子のシンガーソングライターで、日立製作所のWOOOシリーズやニベアのCMにも起用されています。
実は、ギャラリーのオーナー松谷芙美さんの姪なのです。
20名も入ればびっしりという場所で、著名なギタリスト間宮工さんとのセッションを、合計でたっぷり2時間も聞かせてもらいました。
う~ん、なんと言う贅沢!!!
合間には、芙美さんの姉淳美(アツミ)さんの手料理がふるまわれ、こちらもまたすばらしかったです。(食べるのに夢中で写真を撮り忘れました)
因みに松谷淳美さんはピアニストで、駅構内でのコンサート活動(通称駅コン)を日本で最初に始めた人です。


さらにもうひとつ、花さんのお兄さんが渡辺仙伺(センシュウ)さんという華道家で、花を2箇所に生けてくださいました。
28歳らしい若さ溢れる作品です。
花ちゃんと仙伺くん(突然呼び方が変わってしまいましたが、ただそばで見ていると普通のかわいい兄妹なのです)が突然早口の英語で会話し始めて、ちょっとびっくりしました。
二人ともオーストラリア育ちなので、当然のことなのですが。
”Bienvenue chez nous(ようこそ わが家へ)”の名のとおり、”ようこそ 松谷家へ”という一夜でした。
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一昨日から東京に来ています。
新宿区神楽坂近くのアートスペース「Bienvenue chez nous」にてステンドグラスの展示作業をしています。
5月1日にオープンしたばかりのこのスペースは、フランス製のアンチックな家具に囲まれ、フランスの絵画が壁を飾り、時にフランス語が飛び交って、パリのアパルトマンに居るのかと錯覚するほどです。
小さな空間ですが、ギャラリーやコンサート会場として、またフランス語教室や料理など各種講習会を開いたり、集まってお茶を飲んだりと幅広く多目的に活用する予定です。
ギャラリーの第一回企画展として、僕のステンドグラス展を開催していただくことになりました。
オーナーの松谷芙美さんとは、30数年前、夏期講習のために出かけた南フランスのニース大学キャンパスで出会いました。
なあんて言うとちょっと格好良さ気ですが、そのころ金のなかった僕が学食のチケットを安く手に入れようと食堂入り口で待ち構えていたとき、最初にやってきたのが芙美さんでした。
(夏期講習の学生と正規の学生とでは、チケットの価格が倍も違うのです。当時、正規の学生用チケットは一枚200円くらいでした。因みに、フランスの学食はどこでもスープからデザートまで揃って、しかも選択可能なフレンチのコースでしたが、その中でもニース大学の学食は格別に立派でした)
それ以来芙美さんとは、パリで再会し、僕の帰国後日本で偶然にも出会い、新婚旅行中パリでまたまた出くわして、今年東京でギャラリーを捜していたら、芙美さんが20年ぶりに帰国してギャラリーを開くということで、よほど縁があるらしいのです。
急な話で時間がなく、新作は1点しかつくれませんでした。
タイトルは「Bienvenue」、英語のWelcomeに相当するフランス語です。
スペースの入り口に常設され、訪れる人を明るく優しく暖かく出迎えるためにデザインしました。
何と読んだらよいのかわからないスペースの名称にある”chez nous”は”わが家へ”という意味ですから、”ようこそ わが家へ”というのが日本語の意味です。
「読み仮名を付けたら?」と僕は芙美さんに進言したのですが、「カタカナ読みのフランス語を聞くとゾッとする」ということで即座に却下、長い間パリでフランス語を教えてきた芙美さんにはこだわりがあるのです。
内緒で教えますが、「ビアンヴニュ シェヌー」と読みます。
勇気のある方は、展覧会を見に来て発音してみましょう。
展覧会の詳細は、展覧会ページへ。
http://www.st-glass.jp/archives/558
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「幸せになりたい」って誰もが思うことです。
でも何が幸せかは、人によって随分違うものですよね。
1983年の春、東京、赤坂のドイツ文化会館で催された「世界のメルヘンクラフト」展に出品することになった時、僕は即座に「青い鳥」を題材に選びました。
今にして思えば、この作品には様々な思いが込められています。
まず、1981年に帰国して以来、初めての創作であること。
初めての展覧会出品作品であること。
パリでステンドグラスの勉強をしているころから持ち始めていた”青”と”正方形”への執着を具現化したデザインであること。
フッ化水素酸によるエッチングという技術の可能性に気がついて、心ときめかせていたこと。
そして初めて売れた僕の作品でもありました。
チルチル、ミチルが1年もの間彷徨って捜し求めた青い鳥は、結局我が家にいたという、いかにも象徴的なストーリーは誰もが知るところで、”青い鳥症候群”なんて言葉も生まれたほどです。
でも”青い鳥”って一羽じゃなくて、たくさんいたっていいんじゃないか、っていうのがその当時の僕の考えで、それは今でも変わっていません。

色々な青い鳥を描いて、展覧会をすることにしました。
世間では、景気さえ良くなれば皆が幸せになれるようなことを盛んに言ってるけれど、これは大きな勘違いだと思う。
ありきたりのことを言うようですが、社会の豊かさ、人の幸せというのは金で決まるものではありません。
貧乏でも病気でも、頭が悪くて体力も無くても、ひねくれものでほとんど友人もいなくたって、それでもその人なりの幸せな生活をおくることができる、そういう”多様性”を認めることが最も重要なんだと僕は主張したい!(自己弁護ではありません)
「青い鳥」展は、
4月13日~23日まで、
江別のウッドいのうえで、
4月26日~5月22日まで、
函館のギャラリー村岡で、開催されます。
モーリス・メーテルリンクが1908年に発表した「L’oiseau bleu(青い鳥)」は、舞台で上演するために書かれたものです。しかしその後、童話や絵本として世界中に広まり、元々は戯曲だったということが忘れられているみたいです。
童話や絵本の結末はたいてい、青い鳥が実は自分の家にいたのだというところで終わっていますが、原作ではもう少し続きがあって、やっと見つけた青い鳥は飛んで逃げていってしまうのです。
原作の舞台では、最後にチルチルが観客に向かって訴えます。
「どなたかあの鳥を見つけた方は、どうぞぼくたちに返してください。ぼくたち、幸福に暮らすために、いつかきっとあの鳥がいりようになるでしょうから」(堀口大学・訳)
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近頃テレビで盛んに宣伝してますが、ティム・バートン製作の「不思議の国のアリス」が面白そうですねえ~。
子供の頃に読んだルイス・キャロルの原作は、しばらく悪夢にうなされるほど強烈な印象でしたが、1951年制作のディズニーアニメでは、面白おかしいおとぎ話になっていました。
今回の作品もディズニー映画ですから、それなりの脚色はしているでしょうが、テレビで見る限り、より原作に近いスケールの大きさと奇妙奇天烈な映像のようで、結構期待できそうです。
それはさておき、先月東京へ行った折、「不思議の国のアリス」を題材にしたステンドグラスを見てきました。
場所は、2008年に開通した東京メトロ副都心線新宿三丁目駅です。
作者は山本容子さん。
タイトルは「Hop,Step,Hop,Step]

山本容子さんは、2008年3月16日放送のNHK教育「日曜美術館」に出演し、小川三知のことを語られていましたが、内容が的確で、ステンドグラスのことをよく理解されているように感じました。
それで今回、その山本さんが制作したステンドグラスを是非見たいと思ったわけです。

光源が自然光でないのはいたしかたありませんが、それでも山本さんの絵付けの仕方には、光を調節しようという意識が感じられます。
ガラスカットや組み立てはプロのステンドグラス工房の協力を得ているのでしょうけれど、絵付けに関してはおそらくすべて山本さん自身の手で施されているでしょう。
試行錯誤を繰り返し、かなり練習されたのではないかと思います。
ただ設置場所に、もう少し離れて見るだけの”引き”がないのが残念でした。
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雀のチュンチュンさえずる声で、もうすぐ朝が来ることを知ります。
それから恐ろしいほどに長い時間が過ぎて、家族の誰かが静かに立ち上がり、そっとカーテンを開けます。
何故か僕は起きていることを知られたくなくて、天井の羽目板を凝視したまま布団の中でじっとしています。
やがて目の前に最初の朝日が柔らかく射し込み、僕は太陽の光が細かな粒でできていることを発見しました。
これは僕が5歳か6歳ころの記憶です。
今でもはっきりと思い描くことができる最初の”光”の記憶です。
もちろん実際に光の粒が見えたわけはなく、ただの印象にすぎないのですが、それから約10年後に、その印象が見当違いのものではなかったことを知りました。
つまり、光は光子という粒でできているということ、さらにそればかりでなく万物の存在に関わることや、”時間”にも関係しているらしいということを知りました。
”光陰矢のごとし”と言いますね。
なんとなく英語の直訳っぽいですが、中国から日本に伝わった古い格言です。
”光”は太陽、”陰”は月、月日が巡るのは矢が飛ぶように早いという意味で、「時間を大切にしろ」という戒めの意味が込められているようです。
”太陽と月”を題材にして、という要望による注文作品が完成しました。
これは同時に”時間”を題材にするということでもあると、僕は勝手に解釈しました。
作品を設置する窓は北東向き、朝日が入ります。
光を”粒”として見せることはできないだろうか?
光子をまっすぐ透すガラスと、波のように揺らして透すガラスと、互いを干渉させることで粒子が生まれるような気がしました。
写真ではわかりませんが、性質の違うガラスを組み合わせています。
配色は7色の指定があり、虹の色、光のスペクトルです。
ブログを書き始めてから、ちょうど今日まで2年の”月日”が経っています。
何のために書くか?ということに関しては4回目のブログに書きました。
http://st-glass.jp/blog/archives/7
そこにも書かれているように、僕には自分の日記として書くという意識は無く、ステンドグラスに関心を持った人に何か価値あるものを伝えたいという思いを抱きながら書き続けてきました。
今回を含めて2年間で76本のつたない文章を載せてきましたが、当初の目的を少しは果たしているでしょうか?
2年の月日の間に多くのものを失いました。
命や記憶や様々な絆を・・・。
しかし生まれたものもあります。
新しい命や経験と貴重な絆、そして新しい作品。
”光陰矢のごとし”、これからの月日はより高速の矢が飛ぶと覚悟しなければなりません。
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ボザール・デザインビューローは
モンゴルにマツの植樹を行うことで
地球温暖化防止に貢献しています