雑記帳

学校祭のマニエリスム

2014年7月7日
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この時期になると例年の参加行事になっているのが、北海道立平岡高校の学校祭です。
今年はちょうど僕の誕生日当日でした。僕の誕生日は7月4日、アメリカの独立記念日と一緒です。その件について、時間のある方はこちら→ 「7月4日」をご覧ください。

平岡高校では、学校祭の行事のひとつとしてステンドグラス作品コンテストを行っており、僕はその審査員として毎年呼ばれています。 ステンドグラスは本物ではありませんが、その分自由があります。セロハンはもちろん、和紙や包装紙や絵の具など、工夫次第で何でも使用することができます。僕はステンドグラスの専門家として呼ばれているわけですが、通常のステンドグラスと同様の見方をするわけにはいきません。


コンテストの審査員は僕の他に美術の先生ともう一人、3人の合計点数で金銀銅の各賞を決めます。

他に僕がひとりで決める特別賞があります。

各学年8クラスありますから合計24クラスで競うことになります。

 

 

今年ちょっと面白かったのは、2年生のレベルが高かったこと。
例年ならほとんどの賞を3年生が独占します。それほどに高校生の年代の1年間の差は大きいのです。にもかかわらず、今年はもう少しで2年生が三賞を独占するところでした。何故今年は異変が起きたのでしょうか?原因のひとつはマンネリだと思います。平岡高校のこれまでの作品には幾つかのスタイルがあって、それが定着し、美術史的に考えると”マニエリスム”の時期に入ったのではないかと思います。

マニエリスムは決して悪いことではありません。ルネッサンス芸術の後期に起きたような文化の熟成状態を指す言葉ですが、集団的な芸術活動においては、どうしても通過しなければならない一種のターニングポイントであるとも言えます。そう思って見ると、3年生の作品は、いかにもマニエリスムらしくある程度の製作レベルを維持してはいますが、定型からはみ出ることがありません。それに比べて2年生は、同じスタイルでありながらよりマニエリスムが進行し、時折定形外の個性が現われています。そうなれば2年生が勝つのは当然のこととも考えられます。

 

そんなわけで今年の金賞はこれ。

2年3組の「一年一夜」です。

材料の選択や製作技法は、これまでの伝統から踏襲しており熟成した感があります。

星型に切った紙をたくさん散りばめた天の川が見せ所です。

しかし題材さえも踏襲するので、デザイン的オリジナリティーに欠けるのが少々残念なところです。

 

 

 

僕が独断で選んだ特別賞はこれ。

1年5組の「Elysium~極楽」です。

形も色も独特の感性で統一されています。

これまでの”伝統的”表現からはずれた個性的な作品です。

 

これがマニエリスム期に決まって登場する若手の異端児だとすると、来年は新しい様式の誕生を期待してもよいのかもしれません。

 

 

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