雑記帳

絵が描けない?

2016年2月19日
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数年に一度くらいのことですが、ボザール工房に「ステンドグラスの作家になりたい」という人が訪ねてきます。
その方々の年齢は中学生から定年後までの幅があり、性別も経歴も様々です。しかし、必ずと言っていいほどある共通の質問を発せられます。

それは、「絵が描けないんですけど大丈夫でしょうか?」 というものです。
この質問に対しては、明るく答えるようにしています。
「大丈夫ですよ。全然問題ないです」。
しかし、僕の言葉はまだ続きます。
「最初から絵が描ける人はいません。ボザール教室のカリキュラムは、2年目以降すべて絵の勉強ですから、勉強さえ続けていけば、必ず絵が描けるようになります」。
これを聞くと大抵の人は、安心したというよりはむしろ驚いたような表情を浮かべます。

ステンドグラスにも色々ありますが、少なくともアートとしてのステンドグラス制作を目指しているなら、”表現する”という意味で”絵を描く”必要があります。”絵の描けないステンドグラス作家”というのは、”歌えない歌手”、”走れないマラソン選手”と同じです。つまり絵が描けないままステンドグラス作家になることはできない、というのは自明の理だと思うのです。

 

ここでお見せする画像は、ボザール教室で一番長く勉強を続けている方が現在進めている仕事です。

その方は60代女性、教室のカリキュラムをすべて終えた後も、自由制作で模写を続けています。

 

模写の課題に選んだのは、フランス、ブルゴーニュ地方の小都市オータン(AUTUN)にある16世紀のステンドグラス「エッサイの樹」です。

実物は、大聖堂の窓一面を飾る大きな作品ですが、その一部を模写しています。

 

一部といっても、工房の三六版ライトテーブル2台を埋める大きさです。

ー続く

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