雑記帳

北海道のいいところーその14-

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札幌市の観光地と言えば、今は大倉山や大通り公園が主流のようですが、かつては狸小路や二条市場に人が集まっていた時代がありました。観光というよりむしろ地元の人間が買い物を楽しむ場所でした。

僕の幼少期、母の実家が二条市場の近くにあり、僕と姉は頻繁にその実家に預けられていました。二条市場の向かいには創成川を挟んで狸小路の1丁目が始まっていて、その近辺が僕たちにとって恰好の遊び場でした。市場には駄菓子屋とラーメン店、狸小路の一丁目には玩具屋がありました。ラーメン屋は「だるま軒」、玩具屋は「中川ライター店」ですが、今は両方ともありません。狸小路には、質屋、はんこ屋、衣料品店、食器店、まむし屋、食堂、甘味屋、映画館などが続いて、軒先を見て回るだけでも退屈することはありませんでした。

 

しかし、小学校に上がる前の僕たちにとって楽しいのは3丁目あたりまで、広い駅前通を渡った向こうにある4丁目から先は、何やら恐ろしいことが待ち構えている未知の世界でした。

その先も8丁目まで似たようなアーケード街が続くと知ったのは、小学校の高学年になってからだと思います。

 

さてその狸小路4丁目で、この度縁あって展覧会を開くことになりました。

 

一時は客足が遠のき、寂れた感のあった狸小路ですが、2002年に大改修を行い、アーケード内部に光ファイバー回線と無線LANのネットワークを構築しました。各店舗のインターネット接続が容易になったのはもちろんですが、防犯カメラの運用にも役立てており、札幌市内でもいち早くIT化を果たした商業地区です。
近年になって新しい店舗の出店が増え、再び活気を取り戻しています。外国人観光客も多数見かけるようになり、再ブレークの予感がする場所です。

札幌市民なら誰でも知っている「狸小路の唄」というのがあります。1962年に作られたこの唄は、作詞が野坂昭如、作曲いずみたく、朝丘雪路が歌いボニー・ジャックスがコーラスをつけるというなかなかのレア版です。
ちなみに、1975年につくられた「ぽんぽこサンバ」は、小林亜星氏の作曲によるものでした。

ー続く

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