雑記帳

夢見る現場ーその9ー”取り付け”

このエントリーをはてなブックマークに追加

今週20日、現場の取り付けに行ってきました。
ステンドグラスの仕事は、作品を制作して終わりというのではなく、計画していた場所に納めてやっと終わったということができます。一種の環境芸術ですから、設置までを含めて作品と考えるべきと思います。

しかしながら、正直に言いますと、僕の作品制作にかける情熱の大半は工房の中で終息してしまいます。その後の取り付けにはほとんど興味がなく、取り付け後の様子も見なくて良いくらいです。その作品を設置した現場が、こんな風に素敵になるに違いないと夢見るだけで充分に満足なのです。
むしろ実際の現場に出向くのは少々怖いです。自分が計画した効果が出ないかもしれない、クレームがつくようなミスはしていないか、施主や関係者に満足してもらえるだろうか、それ以前に取り付け作業を無事終えることができるだろうか等々、心配性で小心者の僕には現場の緊張感が重荷です。
理屈では取り付けまでが自分の責任とわかってはいるものの、画家が自分の絵を額縁に入れたり壁に取り付けたりする作業なんてやらないんじゃないかとか、音楽家は曲を作るけれど自分でCD作ったりしないだろ、なんてえらそうな言い訳が次々と頭をよぎります。
そういう意味で今回の現場は僕にとって大変ラッキーでした。ガラス工事の会社が設置作業を引き受けてくれることになったのです。僕は作業に立会えば良いだけ、これほど嬉しいことはありません。

しかし当日昼前に浮き浮き気分で現場に着いたら、すでに作業はすべて終わっていました。
すみません。立会いさえもしませんでした。
僕が一人でやったら三日くらいかかりそうな作業を、ガラス工事屋さんなら数人で半日もかからず終わってしまいます。しかも作業は確実、仕上がりがきれい。
僕が取り付け作業をやりたくない言い訳の筆頭です。

さてそんなことはともかく、現在まだ僕は連日快晴の東京にいます。
ちょっと暇ができたので、ブログ書きました。画像のUPは明後日工房に戻ってからじゃないとできません。
まずはここまでご報告を。

ー続くー

このエントリーをはてなブックマークに追加