雑記帳

秋の1日ーその3-

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りんごの甘い香りに満ちた車を走らせて、昨年偶然見つけた道端の小さな店へアップルパイを買いに行きました。
5分ほど走って到着した時、店内からガラス窓に”売り切れました”の張り紙をしている真っ最中。車を停めたまま躊躇していると店の女性が出てきて、ニコニコしながら両腕を大きく交差して×マーク。死刑宣告を受けた気分。

落ち込んだ妻が「じゃソフトクリームが食べたい」とつぶやくので、あてもなく田舎道を走り始めたものの、コンビニの姿さえ見えず 「こんなところにソフトクリーム売ってるのォ~」という妻の低い声。もうだめかと思ったところに、車が数珠繋ぎになってる丘が見えました。
「あれ、何かの観光施設じゃない!?そういうところにはたいていソフトクリーム売ってるよ」 と僕。近づいてみると、「宝水ワイナリー」の看板がありました。しかし丘の上に続く道路には、駐車場の空きを待つ車の列が・・・。

「やめようか?」と言う弱気の僕に妻は「何言ってるの!もう二度と来ないかもしれないんだよ!」と檄を飛ばす。「さっき来年も来るって言ってたじゃないか」と思いましたが口には出さず、「ソフトクリームあるかな?」と言ったら「絶対にある!」という力強い返事。行列に並ぶのが死ぬほど嫌いな僕が、仕方なく車の列の最後尾へ。

「宝水ワイナリー」は、最近公開された映画「ぶどうのなみだ」のロケ地として使われたことで一躍有名になりました。以前にピノ・ノワール種で作られた宝水の赤ワインを飲んだことがありますが、新設のワイナリー特有の若々しい味がして、それはそれで僕は好きでした。小さな子供を見るときと同じく、これからどんなワインに変化していくのか成長が楽しみです。

思ったほど待たされることもなく、10数分後に車を駐車場に入れることができました。妻の期待通り、ワイナリーの入り口前にはソフトクリームの販売小屋がありましたが、ここも長蛇の列、さすがの妻も諦めるほどでした。

ワイナリー周辺は人と車でごったがえしているものの、そこから見下ろす風景は格別です。この地を映画のロケに使おうと思った気持ちがわかります。

「早めに帰って、江別の温泉にでも行こうや」と僕。
途中、おみやげのりんごを渡そうと妻の実家に寄りましたら、1日退屈していたらしい義母が「温泉に行きたい」とのたまう。その後で久しぶりにラーメンを食べたいという要望もあるらしい。

今来た道を戻って岩見沢方面の温泉へ。入浴後は施設内の食堂で義母はラーメン、僕と妻は昼に食べたのでと別のものを注文。何故かホッとして、やたらに水を飲む。
思い通りにならないことは多かったけれど、妙に心動かされる秋の1日でありました。

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