雑記帳

続・ガラスは絵の具

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絵の具とガラスのもうひとつの大きな違いは、その廃棄率です。

絵の具なら必要な分だけをチューブから出して使えばよいので、ほとんど無駄にすることはないのですが、ガラスは型紙の周囲の余分な分を切り取って捨てることになるので、実際に使用する量の1.3倍ほどのガラスを消費することになります。つまり3割は捨てているわけです。制作に使用したガラスをある程度ストックしておく必要もあって、そうなると1.5~2倍の量のガラスを買うことになります。その結果どんどん在庫が増えて、ボザール工房のガラス庫は一時満杯状態でしたが、これはいかんと数年かけて在庫を10分の1ほどに減らしました。

 

しかし、ステンドグラス制作者にとってガラスは絵の具、在庫を持たず毎回仕事の度に必要な分だけガラスを買うというのは、絵の具を持たない絵描きのようなもので実に不自由なものです。

今回数年ぶりにガラス庫の3分の1ほどが埋まったのを見ると、なにやら浮き浮きとした気分になります。

 

 

絵の具に不自由せず好きなように絵が描けるということほど嬉しいことはありません。しかしこのあとちょっとした仕事が待っていてそれを考えると少々憂鬱になります。
大きなダンボール箱と、中にびっしり詰まっていた新聞紙の整理です。
「めんどくせえ~!」
以前はそういう雑用をこなしてくれる人たちがいたのですが、現在はほとんど僕一人で仕事をしており、自分でやるしかありません。

さらに重大な責務がもうひとつ待っています。
支払いです。

お金の話で恐縮ですが、多くの方が興味を持ちながら聞きづらい部分でもありますので、簡単に触れておきたいと思います。フランスやドイツのガラス職人手作りのアンティークガラスは、それ相当に高価なものだろうと想像はつくと思いますが、いったいどのくらいのものなのか?

 

今回買ったガラスの中で最も高価だったのはフランス製金赤ガラス。

参照 → 川風便り「金と赤」

これが原板1枚(830×820㎜)で上代価格は15万円です。

現在金の相場が激しく変動しているため、今後は”時価”だそうです。
怖いですねえ~。

同時に買った他のガラスにつきましては、そこまで高価ではないものの、推して知るべしといったところ。

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