雑記帳

続・花にも意思がある

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前回我が家の不思議なマーガレットについて書きましたが、どうやらその花はマーガレットではなかったようです。
ボザール教室の生徒さんに花に詳しい女性がおりまして、教えてもらいました。

我が家の、というよりそこらに咲いてるマーガレット風の花は、ほとんどがフランスギクだということです。マーガレットがカナリア諸島原産で寒冷地には自生できないのに対して、フランスギクはヨーロッパ原産で寒冷地に自生します。どちらもキク科の花であることに違いはなく見かけもかなり似かよっていますが 、性質の違う別種の花ですから、しっかりと区別するべきでしょう。

 

両者の見分け方で一番簡単なのは葉の形状です。

我が家のマーガレット(フランスギク)の葉はこんな感じです。

タンポポの葉にも似ているでしょうか。

 

 

 

 

それに対してネットで調べたマーガレットの葉は細くて深く切れ込んでいます。

花の形にも少し差異があります。

 

 

 

 
しかしながら少々ややこしいことに、フランスギクのことを当のフランスではマーガレットと称しています。正式にはMarguerite des champs(マルグリットゥ・デ・シャン)、”野原のマーガレット”です。

では、カナリア諸島原産のマーガレットのことをフランスではなんと言うでしょうか?
Grande Marguerite(グランドゥ・マルグリットゥ)”大きなマーガレット”と言います。
草丈は両者さほど違わないのですが、花輪の大きさが僅かに違うようです。

ちなみに、Petite Marguerite(プティットゥ・マルグリットゥ)”小さななマーガレット”という言葉もありますが、これはデイジーのことです。

この混乱は、両者が日本に入ってきた時期のずれによるものだろうと思います。
フランスギクがフランスから日本に来たのは 江戸時代の末期、多分その時は”マーガレット”と称していたのではないでしょうか。その後明治時代末期に、やはりフランスから改良されたカナリア諸島原産マーガレットが輸入されますが、そのときすでに最初のマーガレットは本州北部と北海道にしか残っておらず、自然に後者が”マーガレット”の名を引き継いだのだと思います。
つまり現在マーガレットの花の呼称で、混乱が生じているのは、ほぼ北海道だけ、本州以南の人にとってはむしろ初耳でしょう。いっそのことフランスギクのことを”北海道マーガレット”と呼ぶことにしてはどうかと思います。実際僕に限らず多くの北海道人が、フランスギクのことをマーガレットだと思い込んでいるわけですから、今更”フランスギク ”だなんて呼べません。

 

我が家の”マーガレット”は、一株だけ玄関に通じる苔むした石段を飾ることにしたらしく、いい感じで送り迎えをしてくれています。

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