雑記帳

騙される人 -中編ー

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「タミフル」は、1996年に米国で開発された薬品「リン酸オセルタミビル」を製造・販売しているロシュ社(スイス)の商品名です。タミフルを販売するにあたって、ロシュ社では各国の記者を集めて、ものものしい記者会見を開きました。その光景は僕もテレビニュースで見ています。

ニュースのタイトルは確か”インフルエンザの画期的治療薬販売”というようなもので、インフルエンザウイルスに直接効く世界初の経口薬であるというふれ込みでした。会見担当者の説明では、”通常8日間かかるインフルエンザの罹病期間を、タミフルを服用することによって確実に7日間に短縮することができ る”ということでした。これを聞いた取材会場の反応は、ため息混じりに”え?その程度の効き目?”と、明らかに期待はずれという感じでした。その後の西欧各国の反応も同様で、たった1日回復を早めるだけの薬が売れるはずもなく、ロシュ社の落胆は大きかったことでしょう。

しかしここで登場したのが日本です。日本ではタミフルがインフルエンザの特効薬であるかのように宣伝されて、瞬く間に全国に広まり、品不足騒ぎまで 起こす始末。西欧人にはわずかな効き目しかないタミフルですが、日本では”劇的な治療効果”を表しました。これを知ったロシュ社は驚いて、何故日本人にだけタミフルは劇的に効くのか調査しましたが、結局治療効果は西洋人と変わらず、ただ”効く”という評判がヒステリックに広まっただけという結論に達したようです。
日本で販売している中外製薬でも「なぜ日本でこれほど売れるのかわからない」というコメントを発表しています。

さて、そんなことにはお構いなく日本では「タミフル信仰」がいまだ健在です。新興宗教で言うと、タミフルが教祖、行政と薬品会社と医者とマスコミとが世話役で、効いた効いたと騒いだ最初の人たち(実在するのかどうかは不明)はサクラの役を果たしました。
現在では、世界の生産量の75%を日本で消費しています。消費量2位のアメリカに比べると、子供への使用量は13倍です。

タミフルには他にも問題があります。
1.万能の特効薬のように言われていますが、効果があるのはA型とB型のインフルエンザに対してだけで、B型には効果が薄く、C型には全く効果がありません。(後述していますが、すでにAソ連型にはほとんど効果がなくなったことがわかりました)

2.発症後48時間以内に服用しなければ効果を期待できません。 病院に来たときにはすでに48時間を越えているということも多いはずですが、多くの病院ではそのことには全く考慮せずタミフルを処方しています。

3.子供に強い副作用が表れる恐れがあります。この事実は西欧では早くから認められていましたが、日本では何故か事実認定が遅れ、数十人の犠牲者が出た後、一昨年3月22日に厚生労働省から未成年者に対する使用制限が発表されました。
最も恐れられているインフルエンザ脳症も薬害であるという説が有力です。少なくとも、脳症になるのが怖くてタミフルを飲ませるというのは、根拠がないばかりか全くの逆効果、タミフルやその他の解熱剤が脳症を引き起こしているという研究結果が出ています。

参照:http://www.npojip.org/sokuho/050301.html

4.一番恐ろしいのは最近頻繁に報道されるようになったパンデミック(感染爆発)の問題です。これがタミフルに大きく関わっていることは、これも何故かあまり報道されていません。パンデミックの実現には、ウイルスが変異し耐性を持つことが不可欠とされていますが、昨年タミフルを服用したことがある日本の子供たちの20%近くからすでにタミフル耐性ウイルスが検出されています。今年はもっと増えているはずです。
日本では、タミフルを大量に投与することにより子供たちから自然の免疫を奪い、パンデミックに突入する準備を着々と進めているようなものです。もし本当にパンデミックになったときには、タミフルを服用していた子供たちが真っ先に犠牲になる可能性がきわめて高いということを世のお母さん達の多くは知らないと思います。

さらにたった今聞いたニュースによると、今冬Aソ連型インフルエンザに罹った日本人を調査したところ、98%の人からタミフル耐性ウィルスが検出されたそうです。世界的に見ても驚異的な数字で、薬漬けにされている日本だけの現象です。

上記のような話をしても、タミフル教信者はまともに取り合ってくれません。「そんなこと言ったって、うちの子は薬を飲んだ翌日完治したよ。さすがタミフル、すごい効き目だ!」といった調子。放っておいても完治する前日に薬を飲んだのかも?とは考えないようです。
何よりも薬の発明・製造者がそれほどの効き目はないということを公言していますから、そちらを信用すべきと思うのですが。

インフルエンザワクチンに関してもタミフルと似たような状況にあります。病院やマスコミや役所までもがこぞってワクチンの接種を勧めていますが、実際にはほとんど意味がないばかりか、パンデミックに直結する危険性をはらんでいます。この事実が広く喧伝されないのはやはり「儲かるから」の論理が働いているのでしょうか?

ー後編に続くー

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