雑記帳
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時は虹色に輝くーその3-

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作品のイメージが固まったところで、いよいよステンドグラスの制作開始です。
最初の作業は製図そして作図です。傍から見てると、なんとも地味で退屈な作業に見えるだろうと思いますが、僕はこの過程が結構好きです。

通常の製図は、例えば家の設計図にしても機械部品の製図にしても、寸法は数字で記しておけばよいことですが、ステンドグラスの場合は製図がそのまま実物大の型紙になるので、正確な寸法で作図しておかなければなりません。寸法の誤差については、完成品で±3mmまでの余裕をみていますが、それが製図段階では±0.5mmまでの許容範囲となります。

 

正確な製図をするために必要な道具類。

左からスチール定規、ビームコンパスのケース、ビームコンパス、芯削り、7Hのホルダー鉛筆です。

直角定規や分度器は精度を落とすので使用しません。

 

 

 

 

 

外枠の正確な製図ができたら、次は強度を考えながらガラスのカット線を作図します。
ステンドグラスが一般の絵画と大きく異なるのは、窓に設置した後の耐久性を考慮して、その形や重量の計算をしなければならない点です。カットされたガラス片の形や鉛線の位置によっては、自重で破損を招くこともあります。

 

ガラスのカット線を決定する作図は、美しさと強さを両立させながら進めなければなりません。
美しさのみを追求すれば強度に問題が生じ、強度ばかりを優先させるとつまらないデザインになります。好き勝手に殴り描きしたような自由な線でありながら、しっかりと強度も保っているという作図が理想です。
油絵のように好きな色、好きな形で、自由に絵が描けたらどんなに気分が良いだろうと思わないでもないのですが、苦労しながら作図して、なんとかうまく仕上がったときは、推理小説の最後のページを読み終えたときのごとく、すべてのつじつまが合って、それまでの謎がすっきりと解明したかのような爽快感があります。

ー続く

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