雑記帳
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選ぶ、落とす、拾う

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ちょうど40年前の今頃、春先に美大の入試に失敗した僕は、東京の美術予備校に通っていました。
そこでは、実際に美大の試験官をやっているという教授が教えに来ていて、入学試験の選考方法を教えてくれました。
普通の大学ならテストの正解率で決まるわけですが、デッサンと絵のテストがある美大はどうするのか?僕たちは興味深々で教授の話に聞き入りました。

教授の大学の油絵科では、50人の定員に2000人超の受験者がおり、それだけの人数の絵を教授たちが1枚1枚判定するわけにはいかない。
では、どうするか?
すべての絵を体育館の壁際に並べて、まず学生(おそらく大学院生)に選ばせる。そのとき学生には、「絵の良し悪しを判断するな」、ただ「目立つ絵を選べ」と指示し、選ばれた絵はすべて不合格となる。だから受験の時は、休み時間に周囲の絵を見てみろ、自分だけ違う絵を描いていたらすでに落ちたと思って帰ってよし、とも言われました。

その話を聞いた僕は、何かの冗談かと思って笑いましたが、「何がおかしい!」と一喝されてしまいました。しかしそれ以上に驚いたのは、100人以上もいたそのクラスで、教授から聞いた話に憤る生徒が僕以外に誰もいなかったことです。
「絵描きだってサラリーマンと同じだ。良い大学を出て、力のある上役の下で出世の順番を待て。そうしなければ食ってはいけない」と真顔で言う教授に教わるものは何もない、それに同調する生徒と共に学ぶのもいやだと思い、2ヵ月後予備校をやめ、勢いで美大進学もやめにしました。

さてそんな僕がここ数年来、北海道札幌平岡高等学校の学校祭に招かれて、ステンドグラスコンテストの審査をしています。
審査員は3人いますが、僕の審査基準は当然”目立つこと”。
他のクラスの作品を見て似たようなものがあったら、両方とも受賞はないと思ってください。

ステンドグラス 平岡高校ということで今年の金賞はこの作品。
3年1組「森の恋鳥」。
題材の選び方、タイトルの付け方、表現方法、すべてにおいて独創性があり、ダントツで目立っていました。

他に銀賞、銅賞があり、さらに審査員が気になる作品を拾い上げる「審査員特別賞」があります。

どのクラスも頑張ったのはわかりますが、だからみな同じというわけにはいきません。
その辺のことは、昨年のブログ「芸術から学ぶこと」を参照ください。

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