雑記帳

Elefante Giallo(黄色い象)ーその5ー

2017年7月30日
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粘着シートを貼ってエッチングの準備が整い、さあこれから原画を写し取ろうか、というところでタイミングよく高梨君から連絡がありました。「原画の下にある文字”Taverna”を”enoteka”に変えたいのだけど、まだ大丈夫か?」ということでした。ぎりぎりでセーフ!但し、もう一度文字を描きなおしてもらうことにしました。変更する部分だけでなく全体をです。頭の文字が変われば、全体のバランスも変わるだろうと思うからです。
ちなみに、イタリア語で”Taverna”は小さな食堂を、”enoteka”はワイン酒蔵とかワイン主体のレストランのことを指すらしいです。

こういう急を要する時には、スマホが実に便利です。高梨君が伊豆のアトリエで書いた文字をスマホで撮影、それを即座に北海道江別の僕の工房に送ることができるのですから。
僕はさらにそれを、スマホからPCに転送し画像ソフトで加工してから、拡大あるいは縮小してプリンターから取り出します。あ~、なんて便利なんだろう・・。我々の、やたらに時間を消費する手仕事とのギャップは大きい!と思いそうになりますが、このシステムを最初に考え出した人の試行錯誤や多大な労力を考えると、どちらも同じ人間の技なんだと思えます。

4回書いた文字列の一番上、おそらく一番最初に書いたものを高梨君が指定しています。

その後、サインについても相談しました。やはり、原画制作者のサインは入れておくべきでしょう。こちらもスマホで送ってもらいました。


絵画などのサインについては、一般に少々誤解があるように思います。”これは私が描いたものです”という自己主張と思われがちですが、それよりはむしろ”この作品の全責任は私にあります”という責任の所在を表す意味合いが強いのです。だから、「石戸谷のサインも入れとけよ」という高梨君の言葉は、”この作品の仕上がりには、お前にも半分責任があるぞ”という意味です。

ということで、僕のサインも入れることになりましたが、原画の作者より少し控えめにしました。”ex”とあるのは、”exécution(実制作)”の略です。粘着シートには鉛筆で描いているので、かなり見にくいですね。この後、シートをカットすると良く見えるようになります。

ー続く

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