工房のすぐ近くにある北陸銀行さんからのお誘いを受けて、今日(もう昨日になってしまった)から教室展を開催しています。
銀行のカウンター前スペースを地元の方々に活用していただきたいとのことで、広いガラス面も利用でき、ステンドグラスの展示にはうってつけの場所です。
北陸銀行といえば富山市に本店がある地銀ですが、北海道の小都市に何故北陸銀行が?と思われる方もいるでしょう。
そもそもこの地に最初にできた金融機関が北陸銀行の前身である十二銀行札幌支店営業所で、1919年のことでした。当時の北海道は北陸からの商業者や移住者が多く、とくに江別では石狩川を利用した水運が盛んで、随分と栄えたそうです。
しかし、かつて煉瓦造りの倉庫が立ち並んでいたという河岸も、現在はわずか数棟が残されただけでご覧のような淋しい姿です。
倉庫群の裏手は当時賑わっていた商店街、その一画にあった北陸銀行の建物は今も残っていて、1966年まで使われていました。
現在は登録有形文化財の指定を受けながら、カフェレストランとして活用されています。
賑やかだったという商店街は、ボザール工房が転入してきた15年前にはまだその片鱗が残されていました。
「中央通り銀座商店街」の大看板を掲げたアーケードは、栄華の象徴のように見えました。
しかし、最初にそこを案内してくれた地元の人から「シャッター街」という言葉を初めて聞かされ、急速に衰退する商店街の実情を知りました。
その後もシャッターを下ろす店の数は増え続け、アーケードも解体されてご覧の通り、商店街とは思えない眺めです。
取り壊され更地にされたままの場所も多くなり、いずれはシャッター街と呼ぶことさえできなくなりそうです。
北海道の地元の銀行が破綻したり撤退したりしていなくなった土地に、北陸銀行は場所を移してまだ残っています。北陸銀行自体も決して余裕があるというわけではないはずですが、財政破綻した夕張市に職員を2年間無償で派遣したりもしています。
銀行と言えども、ただ金勘定だけで動くべきではなく、人々の夢や希望や期待を支援するという姿勢が必要でしょう。
地元の方々に期待されながらも、15年間ほとんどお役に立てなかったボザール工房ですが、年末年始を明るく過ごすための一条の光になってくれればという気持ちを込めた展覧会です。
新年1月の28日まで開催しています。