4枚目のパネル。
サブタイトルは、
「海を航る」
遥か遠くを目指して飛ぶ白鳥
急流に生きる魚たち
紫色を基調としています。
紫にはどこか和風のテイストを感じる部分がありますね。
反射素材を使用した細かい表現の部分が、最下部ではなく、下から3分の1くらいのところにあります。
その理由は後ほど。
最初はタンチョウを描くつもりでした。
しかし北海道のタンチョウは、一年を通してほぼ同じ場所で暮らしています。
作品のこの部分にはスケールの大きい”動き”を表現したかったので白鳥にしました。
編隊を組み、かなりの上空を飛ぶ白鳥の姿からは、遥か遠くを目指しているという決意のようなものが感じられます。
月を描いたのは、やはりスケールの大きさを強調したかったから。
急流を泳ぐ魚のモデルはヤマメです。
川の上流で生まれたヤマメの一部は海へ降りてサクラマスとなり、産卵のため再び川を遡ります。
白鳥ほどの移動距離ではありませんが、命を賭けた過酷な旅です。
ヤマメは成長すると体色が黒ずみ紫がかって見えます。
タンポポは少々唐突かもしれませんが、大面積の紫色に対して、僅かの黄色をスパイスとして加えたかったのです。
タンポポにも動きがあります。
綿帽子を風に乗せて飛ばします。
綿帽子は、どのくらい遠くまで種を運ぶのでしょうか?
鳥の胃袋に収まって、あるいは川面に浮かんで、地球を半周くらいはするかもしれません。
パネルの最下部からは、ガラスを透して付近の街並みが見えます。
その姿をデザインの一部として取り入れるため、反射素材の部分をタンポポの上部に移しました。
ー続く