2月17日から22日までの6日間、横浜市石川町のアートギャラリーアスレにて作品展を開催しました。
昨年の3月にも同じ場所で展覧会を開きましたが、そのときの反省点のひとつは展示作品の構成が少々堅苦しかったこと。真面目に仕事はしているけれど明るさや楽しさに欠ける、という印象がありました。
来場者を笑わせようとは思いませんが、楽しんで帰ってもらいたいというくらいのサービス精神は僕だって持ち合わせています。では人を楽しませるにはどうしたらよいのでしょうか?
かつて長女がまだ幼稚園児だったころ、いつも工房で絵を描いている僕を見て、「パパ、毎日遊んでていいね」と言いました。「遊んでるんじゃないよ。これが仕事なんだ」と言うと、「じゃ私も仕事する」と言って隣で絵を描き散らし、それ以来「仕事、仕事」と言っては僕の隣で絵を描くという状態がしばらく続きました。
これがこの種の仕事の素晴らしさ、遊んでるんだか仕事してるんだか、傍目にはもちろん自分でも区別がつかないことがあります。こんなことで人様からお金をいただいてよいものだろうかと心配になるような仕事ぶり、この感覚を近頃忘れていたような気がします。
人を楽しませるには、まず自分が楽しむこと。
そんなわけで、遊んじゃいました。
売ろうとか、どう思われるかとか考えずに、思い切りというほどじゃありませんが少々遊びながら今回の展覧会用に作った小品が13点。コメントを付けて紹介します。
一番最初に作ったものです。
花か葉っぱか?とにかく春らしいイメージ。
このシリーズ全体をこんな感じでいこうと思いましたが、なぜかあとが続きませんでした。
.
太陽の光が恋しくて、暗い海の底に住む生きものが水面に顔を出しました。
自分の命が危険にさらされていることも知らずに・・・、ちょっと暗いぞ!
.
ん~、何だろうこれ?
赤い色を見ると眠くなる僕が、睡魔と闘いながら知らない内に出来たデザインです。
.
水の惑星に降り注ぐ光の粒・・・。
多分そこから命が生まれたんだと思う。
.
ピースウサギ。
最初は明らかにウサギだったけど、それじゃつまらないと思ってキツネかネコにも見えるようにしました。
ちなみにピースは逆ピース。
相手に手の甲を向けています。最近の高校生はこれです。
.
植物的。
ちょっと花札の図柄を思い出してしまったもので、どこかにイメージが残っているような気がします。
.
デザイン室に差し込む春のような陽射し。
南の方ではもうサクラが咲いたってね。
突然 具象的になってしまいました。
.
昨年秋南フランスで見たマチスのステンドグラス。
ちょっとだけそのイメージを借りました。ゴメンナサイ。
.
中学生の時に描いたポスターを思い出しながら再現してみました。
先生が気恥ずかしくなるほど褒めてくれたっけ。
褒められると調子にのるタイプだから、ここまで続けてこれたんだろうな。
.
ヴィルスは陽気に増殖する。
人類はヴィルスと共存すべき。
地球上から消滅させようなんて考えたら、たいへんな逆襲にあうと思うよ。
.
寒さは天からやってきます。
中空を舞う分子の活動が止まると地が凍りつき、天と地がひとつのものになります。意味わからん。
.
この木なんの木実のなる木。
りんごのようなそうでもないような・・・。
見たことのない花が咲いたあとの姿です。
.
子供のときから葉っぱが好きで、たくさん描いてきました。
一枚一枚の葉っぱに別々の魂が宿っている気がしてました。
.
この13点の作品は真鍮枠に囲まれていて、上下に穴が開けられているので連続して吊るすことができます。
大きさは180㎜×180㎜、販売価格は36750円 。4点が気に入っていただいた方の家へもらわれていきました。さようなら、またいつか会えるときまで。