大阪の展覧会が終わりました。
展覧会とは祭りのようなもの。
長い時間をかけて準備し、その日を迎え、大勢の人と出会い、儀式をこなし、祈りを捧げます。
ホテル暮らしや夜毎の宴、非日常的な生活が続いて、気持ちは徐々に高まり軽い興奮状態に。
展覧会の片づけをした次の日、クールダウンを兼ねて2日間の小旅行に出かけてきました。
展覧会で神輿の片棒をかついでくれた上島英揮氏とのふたり旅。
彼が石川県へ車で帰るついでの楽しみです。
と言っても仕事が半分、まずはステンドグラスの材料屋さん「田中アートグラス株式会社」へ。
大きな倉庫にガラスがぎっしり並べられていました。
こんな不景気の世の中でも在庫をしっかり抱えていてくれる会社があるということは心強い限りです。
続いて上島氏仕入先の粘土屋さんへ。
こちらもガラス屋さんに負けない大きな倉庫でした。
そこから滋賀県甲賀の山の中、MIHO MUSEUMを訪れました。
I.M.ペイ氏の設計による施設は、見事というほかありません。
コレクションの素晴らしさにも圧倒されましたが、創始者小山美秀子のシンプルな言葉も心に残りました。
美しいものを見なさい
本物を見なさい
良い物に触れなさい
この施設を建てたのは神慈秀明会(しんじしゅうめいかい)という宗教法人ですが、残念ながら様々な社会問題をひき起こしています。
美しいものを愛でる気持ちが真実なら、人間や社会に対する態度も美しくあってほしいと思うのですが・・・。
その後は近江八幡へ行き、ヴォーリズの建築巡り!のはずでしたが、太陽がストンと琵琶湖の向こうに落ちて、ご覧の通り。
次回の楽しみにとっておくこととなりました。
ここで上島氏と別れ、ひとり京都へ。
翌日は、北野天満宮の紅葉見物。
文句なしの美しさ。
どこを撮っても絵になります。
境内の出店で娘達へのお土産を買いました。
夜は大阪へ帰り、十三(じゅうそう)のホテルへ。
紅葉に負けない電飾の美しさに引き寄せられて近所を飲み歩きましたが、途中ではたと気がつきました。
こんなことをしている場合ではない、今晩中にデザインをひとつ仕上げなければ。
ホテルに戻って熱いシャワーを浴び、ベッドの上で色鉛筆を握り締めたところまでは覚えていますが、翌朝目が覚めたら、なんと素晴らしいデザインが目の前に・・・というわけにはいきませんでした。