3月11日の大震災のとき手がけていた仕事は、2週間ほど遅れはしたものの、4月中頃に無事取付けを終えました。
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取付け場所は、(学校法人)北海道浅井学園が江別市に新築した「大麻幼稚園」と「まんまる保育園」の合同園舎エントランスホールです。
デザインの作成にあたって、浅井学園理事長から提案書をいただきました。
要点を箇条書きにしますと下記の通り。
1.開園40周年の足跡を刻みたい
2.これまで巣立っていった卒園児や関係者の想い、「飛びたつ」、「成長する」姿を表す
3.可愛らしくもあり、凛と存在感のあるシンボリックな象徴
「鳥」、「咲き乱れる花々」、「宇宙」、「星」
注釈として : シンプルに。
花園の中から飛び立つ3羽の鳥、各々の巣立ち
キリスト教、宗教画はNG
後日、園長先生から、江別市の木であるナナカマドをデザインに取り入れて欲しいとの要望あり。
この仕事の要点のひとつは、建物の正面、外側から見たときにも象徴的な役割を果たさなければならないという点です。
そのため3羽の鳥にダイクロガラスを使用しました。
強く反射して外からも目立っています。
同様の理由で花や葉にオパルーセントガラスを使用していますが、ダイクロガラスほどは目立ちません。
内部からの眺め。
手前に梁があるため、全体を見るにはかなり見上げる位置からになります。
しかし朝日が射し込むと、建物の奥深くまで美しく彩られます。
花園は、半抽象的でシンプルな表現にしました。
花壇に密集して咲きほこる花よりも、野原のそこかしこに咲き散る花をイメージしています。
その方が主題の鳥が引き立つと思うのです。
花の中心には、カットガラスを使用しました。プリズム効果で床に虹色の光を散らします。
あとで追加したナナカマドです。
赤い実にジュエルを使い、立体感を出しました。
ー続くー