ステンドグラスというと、日本ではティファニーランプに代表される照明器具を連想される方が多いようです。
この仕事を始めた30年前、観光地のショップからはランプやボックス、アクセサリーなどの小物を店頭に並べたいという依頼がほとんどで、随分とたくさん作りました。
と言っても僕はデザインをするだけで、実際に作るのは妻を含めたスタッフの女性たちでした。
しまいにはデザインもまかせて、僕はパネルに専念できるようになりました。
そんな様子を垣間見た外部の人から、「石戸谷さんは、ランプを作るのが嫌いなんですね」と言われたことがあります。
まあ確かに、細かい作業を延々と続けるのは苦手ですが、嫌いというわけではありません。
例えばランプにしても、誰かに教わった経験もなく、最初から最後までひとりで作りきるという機会がなかったため、未だに仕事は遅いし下手くそで、いまひとつ自信がないのです。
そういうわけで、僕がひとりで作ったランプはこれまでに数台しかありません。
(但し、妻の手伝いはあり)
そのうちの1台。
これは、ティファニータイプのランプとしては、僕が最初に作ったものです。
20数年前の作品で、写真も残っていませんでしたが、破損したということで最近修理の依頼があり、そのときに撮影しました。
確か2000ピースくらいあって、相当に時間がかかったはずですが、まだ若かったからでしょうね、大変だったという記憶はありません。
(妻が作ったからか、それとも忘れているだけか?)
同じお宅の2台目の注文。
和室に合わせて、よりあっさりとしたデザインに。
でも手はかかっています。
エッチングしたピースがあるのと、角の赤ガラスは炉で焼成して曲げています。
数年前に作った卓上ランプ。
注文主は、青色のガラスがお好きという年配の女性。
青い空を映す春の小川のイメージで作りました。
ほらね、ランプだってちゃんと作っています。
嫌いじゃありませんよお~。