雑記帳

できることをやろう2014ーその11-

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国際放射線防護委員会(ICRP)が出した勧告による”放射線量年間1ミリシーベルト以下”という数字は、何を根拠に決められた数字でしょうか?実のところこの数字には明確な根拠は全くありません。強いて言うなら「このくらいなら達成できるだろう」という希望的推測を基にして決められたものです。
放射線量に関しては、あらゆる国と様々な組織が指標やら基準やらを出していますが、その数値はばらばらです。それも当然のことで、放射能や放射線については十分なデータがなく分からないことが多いから、推論で見解をまとめています。その見解に相違がありながら、それぞれが勝手に決めているのだから、数値が一致するわけがありません。

2012年4月1日、日本政府は一般食品に対する放射線基準値を100ベクレル/㎏と定めました。それまでの暫定基準値は500ベクレルですから、メディアはこぞって「厳格」と評価し、「厳格過ぎないか?」という報道さえありました。というのも米国では1200ベクレル、EUでは1250ベクレルという基準値を設けていたので、なおさら日本の数値は厳しいものだと思えたわけです。「日本ではこれだけ厳しく管理しているのだから安心して食べてください」と、政治家が福島産の野菜にかじりついてみせるパフォーマンスをTVで見ました。

しかしこれは数字に対する解釈が全く間違っています。EUが1250ベクレルと決めた理由は、一般食品の10%が放射能に汚染されているという前提があるからです。それに対し日本では、一般食品の50%が汚染、牛乳と乳児用食品に関しては100%の汚染を前提にしています。つまり一般食品を100ベクレル以下にしなければ、先の国際放射線防護委員会(ICRP)が出した数値”年間1ミリシーベルト以下”を達成できないということです。”100ベクレル”という数値は決して安全を意味するものではなく、日本の食品が総じて危険であるということを意味しています。

 

この地図は「農産物の放射能汚染マップ」です。

あるサイトに載っていたものを引用させていただきましたが、似たようなマップは多数あり、データの取り方や製作者の意図するものによって多少の差異はあります。

いずれにせよ、このような図を見て分かることは、福島県産の農産物だけが危険なわけではないということです。

放射能はかなりの広範囲にわたって拡散しており、地形や空気の流れによって局所的に溜まることが知られています。

同じ畑でも、1メートル離れたら放射線量が違うことがあります。

 

福島原発から今現在でも海に漏れ出している汚染水 には、大量のストロンチウムが含まれています。ストロンチウムはベータ線しか放出しないため空間線量計では検知できません。東北や北海道で水揚げされた魚一匹一匹のベータ線を測定することは不可能です。検査をしなかった、あるいはできなかった汚染食材は様々な加工品となって、すでに日本中に出回っています。

ー続く

 

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