雑記帳

カワのセミ

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近頃ちょっとついてるなという感じがしています。

仕事上で使うデザインモチーフや材料が、必要なときに向こうからやってくるということが偶然にも何回か続いて、それがあまりにもドンピシャのタイミングなもので、「天の恵みだ!神様ありがとう」なんて感謝の言葉を思い浮かべたりもしました。

例えば、バラのデザインに取り掛かった時にはバラをいただき、ぶどうの時にはぶどうを、魚の時には魚をいただきました。(いただいてばかりですが)
デザインをする際に実物に接するというのは大切なことです。
よく知っているものでも、もう一度見たり触れたりすることによって、自分の中の何かが呼び覚まされる気がします。

他にも、ガラスが僅か足りない、どうしようと思っていたら、そのガラスの返品があったり、教室の生徒が一人減ったと思ったら一人入ってきたとか、今月末の支払いに〇万円足りないぞ!どうする?というピンチにピッタリその金額の臨時収入があったりもしていますから、誰かに見守られてるみたいな感じ、「神様ありがとう」という気持ちにもなりますよね。

先日は「カワセミ」を題材にした作品をという注文がありましたが、さすがにカワセミはやってきません。
カワセミのエッチングはこれまでに何回もやっていて、写真を見なくても描けそうな気がしますが、この馴れと思い上がりが作品を殺してしまうんだと自戒、川へカワセミを捜しに行くことにしました。

鳥の写真を撮ることは至難の業で、これまでほとんど成功したことがなく、今回は最初から写真は諦めて、せめて飛んでいる姿を見るだけでもということで出かけてきました。
よくカワセミの出没するスポットというのはありますが、そこでも必ず見られるというわけではありません。むしろ見られない確率の方が高く、この日も2時間余り渓流を遡って、カワガラスとシギに出会っただけでした。
カワセミ熊に出くわす前に帰ろうかと思い始めたところへ、足元へなにやら動めくものが流れ着いたので拾い上げてみるとこれ、 セミです。
川面に落ちて溺れかかっているところでした。

近年、本州の都市部では消滅しかかっているという噂のアブラゼミですが、北海道ではまだ健在です。

虫の命を助けてやってちょっといい気分、足取り軽く帰途へつきかけて、はたと思い当たったのだけど、「川のセミ?これってカワセミか?」

神様、これは違います。
これじゃありません。

因みに、カワセミのセミは古名のソニ(青土)からきており、昆虫の蝉とは関係がありません。
カワセミのずんぐりした体型と蝉の形が似ている気がしますが、語源としては無関係だそうです。

ステンドグラス カワセミ

 

神様の駄洒落に苦笑いしつつも、涼しくなった秋の渓流の様子を思い描きながら、カワセミのボックスが完成しました。

 

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