ボザール工房恒例の研修旅行「ステンドグラスと美術館見学の旅」の出発日が間近にせまっています。
1992年から始めて2~3年毎に実施しており、今回は第7回目になります。
この旅行を企画しようと思ったきっかけは、ある大手旅行会社の広告でした。確か「西洋美術を学ぶ旅」といったようなタイトルで、ギリシャに始まりイタリア、スイス、ドイツ、フランス、ベルギーを10日間で周るという内容でした。美術評論家でもある大学教授が同行し、添乗員と共にチャーターバスで移動、ホテルは四つ星全日食事付き、通訳のための現地ガイドも用意されているというまさに至れり尽くせりの内容でした。
旅行費用はかなりのものでしたが、まあこの内容ならそのくらいはするだろうと納得のいく金額ではありました。
その後別の旅行社の人から聞いた話によると、旅行費用のかなりの部分が大学教授への謝礼に当てられているとのことでした。しかしそれも当然のことです。大学教授を10日間拘束し、連日講義をしてもらうとなるとそれなりの金額にはなるでしょう。さらに通訳ガイドや運転手付きのバスのチャーターも大学教授に引けをとらないほどの金額だということでした。
そこで僕は閃めきました。
教授と添乗員、通訳に運転手の四役を一人でやったらどうだろうと。
そうすれば4人分の報酬を一人でもらえるわけで、これは儲かりまっせとかなり不純な動機で始めたわけですが、大体こういう虫のいい話がうまくいくことはないので、第一回目の研修旅行は、旅行会社のカン違いと僕の見当はずれが合体し、報酬どころか自分の旅費を自身で負担して皆を案内するという完全なボランティア活動で終わりました。
2回目以降も、僕の知名度や能力から考えて大手旅行会社の企画と同等の金額などもらえるわけがないことに気がつき、結局はこの手の企画旅行としては安いままですが、ボランティアはしんどい、無理!ということで実費はしっかりいただいてます。
以下、ボザール研修旅行の良いところを大自慢 ;
1.ホテルは三ツ星クラスに決めている。四ッ星ホテルの多くは団体の観光客専用で、サービスも荒く食事もまずい。フランス人が普通に泊まっているホテルを利用する。
2.滞在地もホテルも移動は最低限にする。移動の時間が無駄であり、気持が落ち着かないと美術の鑑賞はできない。帰国後写真を見ても、どこで撮ったものかわからないということになる。
3.食事にはこだわる。安くておいしいものを食べる。現地の人が普段食している物を食べるということが文化の理解には欠かせない。
4.街中の移動は地下鉄やバスなどの公共機関を利用する。その方が街の様子がわかり記憶にも残って、街に愛着が持てる。
5.旅行期間が長い。約2週間。他国の文化を肌で感じるためには最低このくらいの時間は必要。
6.個人の自由を最大限に尊重する。寝る時間も起きる時間も自由。集合時間を決めないこともある。
続いて石戸谷個人の小自慢 ;
1.ステンドグラスの説明をさせたら右に出る者は2~3人しかいない。もちろん美術にも詳しい。
2.フランス語はまあまあできる。ステンドグラスの勉強をする前は、フランス語を専門に勉強していた。フランス人と口げんかをしても勝つ自信あり。
3.食べることが好きだ。フランスの庶民の食べ物に通じている。フランス人家庭に1年、フランス人と共同生活の食事付き下宿に4年暮らした。
4.運転は上手だ、というより用心深い。一度も事故を起こしたことがない。
5.決して怒らない。旅行参加者のどのような我がままにも耐えられる。
実は、3年前の第6回研修旅行を終えた後、体力と気力の衰えを感じて、ちょうどパスポートの有効期限も残りわずかだし、もうやめようと思ったのです。しかし今回ちょっとした縁があって、第7回目を実行することになりました。パスポートも10年用に更新しましたから、あと5回くらいは続けようかなと思っています。
今回は僕の得意な南フランスがメインです。10年ぶりにマチスのステンドグラスと再会してきます。