雑記帳

夢見る現場ーその11ー”インスタレーション”

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エッチングガラスの設置を業者さんが早々と終えてくれたので、4Fの現場作業に即刻取り掛かることができました。

予め工房で用意し送っておいた材料を取り出します。
材料の一部、ダル・ド・ヴェールなどは原板のものがあり、必要に応じてカットし使うことになります。

                                                          
それ以外はただ並べるだけ。
”インスタレーション”とは、基本的にただ並べるという単純な作業ですが、単純=簡単ではありません。
単純な作業のみで表現するという難しさがあります。
                                                                                                

                                                                                               
作業を始めて一時間、自分の表現したいものがどうやったら実現できるのか、事前の計画をすべて捨てて一からやり直したくなるような暗中模索状態が続きます。そういうときは、ただ呆然と考えているより、とにかくやってみるということが大事です。失敗を重ねることで、成功への道筋が見えてくるという過程は、短時間に凝縮された人生のようです。

                                                        
大きな方針は変えません。
流れ星が落ちてきてそこに散らばったようなイメージ。
しかしただキレイなだけではなく、それ以上に心の奥底まで響くものを込めたいと思います。
「キレイなだけではだめなんだ」と自分に言い聞かせながらガラスを並べていきます。
具体的にどうしたらいいのかはわからないのだけれど、頭の中で強く願ったことを、きっと手が実現してくれると最後はいつもの神頼み。

                                                     

現場に太陽の直射光は届きません。
夕方になれば、井戸の底のような4階に早々と暗闇がせまってきます。
18時過ぎには、遠くから聞こえていた工事の音も途絶え、見える範囲はほとんどすべて消灯されて、この巨大な病院に現在何人の人がいるのだろうかと、少々心細くなってきます。
しかし日中の自然光の状態と夜間の人工光の状態の両方を確認する必要がありました。
                                                                                    

インスタレーションは、照明を調節して完成!となるはずでしたが照明器具の具合が悪く、後日電気屋さんに再工事してもらうことになりました。

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エレベーターホールから見るとこんな感じです。

ちょっと地味かなあ~という気もしますが、あまり刺激的なものでなく、ふと気がついたらそこにあるくらいの控えめで優しい方がこの場にはふさわしいだろうと思います。

ー続く-(但し、かなり先)

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