今回の二人展のためにお借りする場所「ギャラリーおがわ」のオーナー小川和子さんと知り合ったのは35年ほど前になるでしょうか、上島さんとの付き合いよりも古いのです。
そのころ僕はパリに居て、工芸美術学校に入ったばかりでした。
ある日の昼ころ、パリで唯一の日本式ラーメンの店へ行きました。
僕は元々無類のラーメン好きでしたが、日本式ラーメンの店はかなり高かったもので一度も行ったことはありませんでした。
それがその日どういう理由からだったかは忘れましたが、とにかく一人でラーメン店へ出かけて行ったのです。
カウンターに座って半分くらい食べたところで、隣のいすに一人の日本人女性が座りました。
横目でちらりと見た感じではなかなかの美人!それが小川さんでした。
その手の女性に話しかけるなどということは当時の僕には絶対にできないことでしたから、声をかけてきたのは小川さんでしょう。美人には珍しく、底抜けに気さくな人でして、今でもそれは変わりません。
ほんの10分程度の短い時間で、小川さんが美術大学を出て建築士の資格を取り、現在大阪の設計事務所で仕事をしていること、僕はパリでこれから3年間ステンドグラスの勉強を続けること、といった互いの情報を伝え合い、パリから建築関係の本を送る約束をして分かれました。
その後約束どおり僕の選んだ本をときたま小川さんに送りましたが、2年後、僕が日本に一時帰国したとき再会して、大阪の郊外を半日案内していただいたのを最後に、長い間お会いする機会はありませんでした。
手紙のやり取りが減り、やがて年賀状も途絶えていましたが、2002年僕が初めて大阪の公共施設の仕事をした時に、偶然がいくつか重なって26年ぶりに再会することができました。それ以来家族ぐるみのお付き合いです。
現在小川さんは画家としての情熱の大半を教えるということに傾けており、芸術教育に関するさまざまな賞を毎年のように獲得しています。その傍ら今春自宅にギャラリーを作りまして、今後アートの展示活動にも力を注いでいこうという姿勢です。
で、そのギャラリーをお借りして「猫の展覧会じゃありません」展となりました。
展覧会は、いつでも出会いの場でもありますが、今回は開催前から出会いがいくつかありました。そのうちのひとつ、ボザール教室の生徒を介して、インディーフォルダというパソコン教室関係の会社の方と知り合いました。僕が宣伝するより先に、インディーさんのサイトで展覧会の紹介を丁寧にしていただきました。感謝!
猫の展覧会だと信じて疑わぬ人がその後も続出、来場した時にがっかりさせては悪いのでひとつ作ることにしました。
これはその一部分です。
どんな作品になると思いますか?
ついでに他のデザインもお見せしましょう。
みな出来上がりは同じ形になります。
僕は、会期中ほぼ毎日会場におります。
是非ご来場ください。