雑記帳

生きた線を描くためにーその1-

このエントリーをはてなブックマークに追加

ボザール工房では、”夏期講習”が近年夏の恒例行事となっていますが、色々と忙しかったもので今年は準備が遅れています。
まずは課題を考えて、手本 になる作品を作らなければなりません。

課題は決めました。”線”を描く勉強をしようと思います。
ステンドグラス作品の”線”と言えば、ガラスのカット線、つまり鉛棒が走る線のことです。ステンドグラスを詳しく知らないという方のために説明しますと、ステンドグラスはカットしたガラス片を断面H型の鉛棒(通常鉛桟または鉛線と称しています)で繋ぎ合わせることによって作られています。ステンドグラスが通常の絵と顕著に違うところは、なんと言っても画面を縦横に走る黒々とした線でしょう。この線はデザイン的にも大切ですが、作品の強度を保つためにも重要な役目を果たしています。


手本になる作品のガラスカットを終わったところです。

組立て時、ガラス片の間にはすべて鉛桟が入ってきます。

寸法 370h×500w。

横4本と縦2本の線で構成されています。

このたった6本の線を描くのに、僕は1時間を費やしました。

 

強度的な制約の中で、生き生きとした線を描くということは結構難しいものです。

線は感性で描くものですが、感性だけでやすやすと描けるほどの天才は稀です。
感性を支え生かすためのいくつかの具体的デザイン技術があります。今夏の講習ではそれを伝えたいと思います。

ついでにアメマスとヤマメのエッチングも勉強します。
上記のガラスに魚が泳ぐ様を後日お見せします。

ご自分でやってみたいという方はお問い合わせください。
8月上旬から始める予定です。

ー続くー

 

このエントリーをはてなブックマークに追加