ニセコのKさん(奥様)は、S邸に設置した2作目の白樺作品を2年前にご覧になって、我が家にもと所望されました。ご注文の際には、モチーフとして白樺はもちろんですが、他にミズバショウ、野うさぎ、フクロウ、もう1羽の鳥、という指定を いただきました。
設置場所は、玄関横の明かり窓。
885h×300wの大きさです。
青色と緑色だけの極めてシンプルな配色です。
エッチングの絵柄は結構細かいのですが、シンプルさを失わないように配慮しています。
使用したガラスはすべてフランスサンゴバン社製の被せガラスです。
上部の2枚は色違いの別のガラスに見えますが、全く同じ品番のガラスです。
被せガラスは、被せ部分の厚みの違いにより色の濃さの差が出ます。
色の濃さだけではなく、透過する光が青から青紫へと変化します。
シジュウカラとフクロウがいます。
白樺の樹の太さを変えて奥行きを出しました。
かなりの数の葉っぱを描いていますが、その大半の明度を下げることで奥行きを強調すると同時に、煩雑に見えることを避けています。
肉眼で見ると、暗い背景の中にもたくさんの葉っぱが描かれていることに気づきます。
下の3枚のガラス。
少し暗めの深い青色ガラスに野うさぎを描きました。
白樺の根元をぼかして、林との距離感を出しています。
2種類の緑色ガラスにはミズバショウ。
葉を控えめに暗く描くことで、ミズバショウの白色が際立ちます。
5つの白い花は、ドア方向の手前から回転するような弧を描いて奥へと並び、視線を野うさぎとその向こうの白樺の根元へと導きます。
このステンドグラスを設置した窓には元々既製の型ガラスが入っていたのですが、幸いに縦方向のテクスチャーでしたので、白樺のエッチングと重なって面白い効果を出しています。
正面から見たときにはほとんど分りませんが、斜め横からですとこんな感じに見えます。
ニセコはすでに一度雪が積もっており、家の横にまだ雪が残っていました。
長らくお待たせした注文ですが、「雪が積もる前に取り付けを」というご要望にぎりぎりで間に合いました。