雑記帳

ステンドグラスの強度ーその3-

2015年10月23日
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日本の古くからあるステンドグラス工房では、”面はんだ”という方法によってはんだ付けをしているところが多いようです。これはケイムの接合部分だけでなく、表面すべてにはんだをまぶすというやり方です。見かけがきれいだからとか、その方が固く丈夫になるからとかいう理由のようですが、どちらも疑問です。

部分はんだの形を見えなくすることがステンドグラス自体の美しさに影響するとは思えません。ステンドグラスはガラスを透過する光を楽しむ芸術です。通常の自然光でステンドグラスを鑑賞するなら、逆光によりケイムの部分はただの黒い線としか見えず、面はんだをしてもしなくても区別はつかないでしょう。
強度の点ではさらに大きな疑問です。ステンドグラスは鉛の柔軟性により外的な力からガラスを守っていますが、その鉛の表面にはんだをまぶしてしまえば柔軟性が失われ、むしろガラスにとっては破損の危険が増すと思います。ケイムの”硬度”とパネル全体の”強度”は別物です。また、使用するはんだが相当の量になり、自重による負荷も大きくなると思います。
強いて利点をあげるなら、風呂場のように湿気が多いところでは面はんだの方が錆びづらいかもしれません。いずれにしても、諸外国でケイムの面はんだをしている国はなく、日本だけに広まった特殊なやり方です。

話を少し元に戻します。

 

はんだ付けの説明を先にしましたが、実はその前にひとつ重要な工程があります。

組み終わったパネルのはんだ付けをする前に、へらでケイムの縁を軽くつぶします。

つぶすというより丸めると言った方が的確な表現でしょうか。

 

そうすると断面図はこんな感じになります。

強く丸めすぎてケイムの縁がガラス面に接してはいけません。

この作業は、はんだ付けのための準備ではなく、その後のパテづめのための準備です。

 

ー続く

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