雑記帳

トイレの神様ーその1ー

2009年8月17日
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先月、トイレのドアの明かり窓にステンドグラスを取り付けるという仕事をいただきました。
注文主のT家の方々とデザインの相談をする中で、主題を「トイレの神様」にしようということになりました。

”トイレに神様がいる”と考えるのは世界共通のイマジネーションらしく、インターネットで検索するとおびただしい数の情報が出てきます。
西欧では漠然としていて、”トイレに現れる妖精”的な扱いが多いようですが、アジアではかなり具体的な神様像があります。
密教の「烏枢沙摩明王」(うすさまみょうおう)はトイレの守り神のようなものですが、その前身にはインドの「アグニ」神がおり、中国に行くと「紫姑神」という女性の神になり、日本では「厠神」と総称するトイレの神様が各地にいます。

しかし今回の仕事に、これら普遍的な神様のイメージは使わないことにしました。それよりも僕のプライベートな体験から生まれるイメージを形にしようと思いました。

とはいうものの、トイレにまつわる体験というのは予想以上に多いものですね。
トイレに行く回数を1日に5回として1年で1825回、人生80年として14万6千回トイレに通うことになります。1回あたり3分を費やすとして(僕はもっと長いですが)、43万8千分、時間にすると7300時間つまり一生のうちで300日以上もの時間をトイレで過ごすことになるわけですから、それにまつわる体験そしてその記憶が多いのは当然でしょうか。

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必要とするのは1枚だけですが、なにせたくさんの記憶の中から色々なことを思いつくもんで、11枚の作品ができてしまいました。それに加えて、夏休みで朝から晩まで工房に同居している三女が、僕の仕事をそばで見ていて自分も作ると言い張り、仕方なくひとつ作らせました。それも含めて合計12枚の中から気に入ったものを選んでいただこうと思います。

大きさは93mm×93mmと小さいですから、1枚のガラスにエッチングする方法にしました。
作品を取り付ける窓は、じっくりと鑑賞するような場所ではなく、中に人が入っているかどうかを確認し、ちらりと見て通り過ぎる場所です。
でも毎日、そして何年も何十年もの間見続ける場所です。
親しみが持てて飽きが来ないデザインを心がけました。

さてT家の家族会議で、どのデザインが選ばれるでしょうか?
楽しみです。

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