雑記帳

ハディサの戦い

2015年11月19日
このエントリーをはてなブックマークに追加

13日夜に起きたパリ同時多発テロ事件は、いまだ終焉の兆しが見えません。それどころかフランス空軍の報復爆撃によって、事はよりいっそう拡大しているように見えます。

そもそもテロリストはなぜパリを標的にしたのか?ISの目的は何か?新聞やネット上では様々な説が入り乱れ、どれもある程度の説得力がありながら、何かが欠けているような気もします。多分それこそが真実なんでしょう。つまり、不完全な動機を抱えた個人が大勢集まって”復讐の連鎖”を作り上げている。立場は相反していても、時が過ぎれば同じ鎖を繋ぐ共同作業者であったことが明確に認識されることと思います。

そんな理不尽さを、強烈に突き付けてくる映画があります。ちょうど10年前の今日、2005年11月19日、イラク西部の町”Haditha(ハディサ)”で起きた虐殺事件を題材にしています。

 

映画の日本公開タイトルは「ハート・アタッカー」。

どこかで聞いたような題名でしょう。

2008年に制作され、アカデミー賞を6部門で受賞した「The Hurt Locker(ハート・ロッカー)」を連想させます。

日本で作ったポスターも「ハート・ロッカー」のそれにそっくりです。

これではまるでB級映画ですよと宣伝しているようなものですが、実際はそうではありません。

「ハート・アタッカー」というタイトルは日本の配給会社が勝手につけたものであり、原題は「Battle for Haditha(ハディサの戦い)」です。

 

 

2007年製作ですから「ハート・ロッカー」より前ですし、アメリカ軍が登場しますがイギリス映画です。

内容は、イラクの民間人たちと米軍、そして反米勢力がそれぞれの思惑のもとに絡み合い、悲惨な事件へとなだれ込んでいく様を緊張感のある映像で克明に描いたものです。

ある細部の一点を緻密に描くことで複雑な全体像が見えてくることがある、そんな思いを抱かせる傑作映画です。

パリのテロ事件を多少なりとも理解する手助けになるかもしれません。

 

ぜひご覧ください。

このエントリーをはてなブックマークに追加