雑記帳

愛着心を捨てるーその2-

2015年5月6日
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本に続いて美術の習作を処分する作業を始めてすぐに、大変なことに気がつきました。本と習作とは全く別物だということです。本は捨てても探したら代わりは見つかりますが、自分の描いたものは捨てたらおしまい、二度と出会うことはないということです。そう考えると捨てるのが急に惜しくなりました。

で、折衷案を思いつきました。つまり実物は捨ててしまいますが、愛着のある作品は画像として保存しておこうと。それならばとりあえず必要なときに見ることはできるし、いつか完全処分するにしても簡単な作業で済みます。

デッサンの次に写真撮りしたのは、やはり高校美術部3年生の時に描いた油絵です。

 

一時、風景が描きたくて、スケッチブックをカルトンに挟み、あちこちと電車で出かけるのが楽しかった時期がありました。

これは北海道内有数の工業都市苫小牧を描いたものです。

雪解けの3月か4月だった気がします。

当時はまだスパイクタイヤ全盛の頃でしたから、雪の表面はいつも真っ黒に汚れていました。

工場の高い煙突からはもくもくと煙が湧き上がり、時折どこかで蒸気が噴出して生暖かい空気が流れてきました。

 

引込み線を電車が通り過ぎる音に、鼻を突く異臭、林立する電柱とそれを結んで縦横に走る黒い電線。僕はその頃、緑溢れる田園風景よりも、人間の営みを生々しく感じ取れる工場地域の風景に心惹かれていました。

ー続く

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