雑記帳

騙される人 ー前編ー

2009年1月21日
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いつも新聞を開くたびに、「あーあ、またか」とため息をついてしまう記事があります。
「振り込め詐欺」に関する記事です。

ちょっと考えれば嘘だと気がつきそうなものなのに、相も変わらず騙される人は減りません。非道を繰り返す詐欺集団に憤りを感じるのはもちろんですが、最近はそれよりむしろ騙された人に対する苛立ちの方が強くなってきているのが自分でもわかります。「なんでこんな幼稚な手口に騙されるんだ!」と。

1970年以降、怪しげな新興宗教が続々と誕生していた頃に、それらの団体のひとつを主催する人間が、テレビに出演して語っていました。曰く「宗教を作るのは簡単だ。3人いればできる。教祖と世話役とサクラだ」と。
例えばテレビによく登場する占い師やら霊媒師の類の人たちは新興宗教の教祖のようなものです。 この場合、世話役はマネージャーや芸能プロダクションで、サクラは番組司会者や芸能人が務めていますが、テレビ局の役割が大きいことを忘れてはいけません。テレビ局は世話役とサクラの両方の役を兼ねており、さらにスポンサーを通じて視聴者から集金するという大切な仕事をこなしています。視聴者は直接の支払いがないために、騙されたという意識は全くありませんが、確かに我々の財布からわずかの金銭が出て行って、占い師の懐に収まっているのです。しかもそれは総合すると数十億円単位の巨額な金額になり、関係者で分配しています。

同様に巨額の金が動いているのは「血液型性格判断」にまつわるビジネスです。科学的には全く根拠がなく、あらゆる実験で完全に否定されているにもかかわらず、日本人成人の80%が血液型で性格が決まると信じているというアンケート結果が出ています。もちろんこんな例は世界のどこにもなく、ただ日本だけの現象です。

参照:http://www.remus.dti.ne.jp/~nakanisi/ketsueki/index.html

ここでもテレビ局の果たした役割は大きく、2004年には放送倫理・番組向上機構から「血液型を扱う番組」に対する改善要望が出されましたが、ほとんど効果はありませんでした。

参照:http://www.bpo.gr.jp/youth/decision/001-010/006_blood.html

テレビ局が自ら組織した機構の要望をを無視するのは何故か?
理由はただひとつ「儲かるから」です。
血液型を扱った番組の視聴率は高く、それに関連した出版物の売上にも大きく貢献しています。昨年は「B型自分の説明書」という本がベストセラーになりましたが、出版だけで売れているわけではありません。テレビ番組と出版との連携で巨額の利益を生み出す仕組みになっています。
この仕組みが判っていても、大半の人たちは「まあいいじゃないかそのくらい。みんな楽しんでるんだから、水をさすようなことを言わなくてもいいんじゃないの?」と言います。そうかもしれません。僕も、家族には「馬鹿馬鹿しい、こんなの見るんじゃない!」とか言いながら、結構その手のテレビ番組を面白がって笑いながら見ているひとりですから、偉そうなことを言う資格はありません。
2月には血液型別”結婚ドラマ”がフジテレビ系で放映され、番組中に血液型の特徴をテロップで表示するそうです。番組には人気若手女優4名を起用しており高い視聴率をあげることはほぼ確実、多くの若者達が新たに血液型教に入信することは間違いないでしょう。

血液型のことはさておき、数年前から気になっていて、この季節になるとますます気にかかり苛ついてしまうのが「タミフル詐欺」です。「タミフル詐欺」って何?と誰もが思うことでしょうが、それもそのはず、たった今僕が名付けたものです。
こちらも血液型ビジネス同様、「儲かるから」という動機に押されて真実が捻じ曲げられており、期待するほど価値のない物に多くの人間が金銭を支払っているという点では「詐欺」と言ってもよい事態になっていると思います。
しかも血液型ビジネスが子供たちのメンタリティーに最も大きな害を与えているのと同じく、タミフルの害を最も深刻に受けているのはやはり子供たちだということが大きな問題だと思うのです。

ー中編に続くー

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