雑記帳

7月4日に生まれて

2010年7月5日
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「7月4日に生まれて」というタイトルの映画をご覧になった方は多いでしょうね。
ロン・コーヴィックという1946年7月4日生まれの実在の人物による自伝を元に制作、1989年に公開した映画です。
内容は詳述しませんが、オリバー・ストーン監督の映画の中で、またベトナム戦争を扱った映画の中で、さらに主演のトム・クルーズ出演の映画の中でも、最高の出来だと思います。
まだ見てないという方は、是非ご覧ください。

さて僕は、コーヴィックより7年後の同じ日,札幌に生まれました。
しかし、7月4日がアメリカ合衆国の独立記念日だということを知ったのは、高校の世界史の参考書の中でした。
僕が好きだった欄外の「豆知識」のところに、自由の女神像の写真と共に記述されていたように記憶しています。

ニューヨークの「自由の女神」像を知らない人はまずいないでしょうけれど、その作者の名を言える人は多くないと思います。
作者は、フランスの彫刻家フレデリク・オーギュスト・バルトルディです。(な~んて偉そうに書きましたが、実は僕も名前を思い出せなくて調べました)
鉄と銅で作られたこの巨大な像は、1886年にアメリカの独立100年を祝して、フランスが寄贈しました。

その3年後1889年には、フランス革命後100年を記念し、パリに住むアメリカ人達が、少し小さくした女神像レプリカをフランスに寄贈し、セーヌ川に架かるグルネル橋のたもとに設置しました。
女神が左腕に持つ銘板には、革命のきっかけになったバスティーユ牢獄襲撃の日”1789年7月14日”の日付が刻まれています。
像はバルトルディ本人が制作し、除幕も彼自身が行いました。

そして2010年には、函館に自由の女神像が出現しました。
先月僕が函館に行ったときすでに設置されており、その違和感に「本気か?!」と思いましたが、本気だったようです。
現地では論議を惹き起こし、役所で取り上げ、新聞記事やTVニュースにもなっています。

自由の女神 函館サイトでも多くの人が意見を述べていますが、そのほとんどが景観上の問題について論じています。
そのひとつ、ギャラリー村岡の店主村岡武司氏のサイトをご紹介します。
この件に関して的確な意見を述べられています。
(写真も村岡氏撮影)
http://blog.gmuraoka.com/2010/06/post-120.html

もちろん誰もが目にする景観というのが最も実際的で影響も大きく重要な問題であることは確かなのですが、ものつくりの立場から言わせてもらうなら”作者を尊重して欲しい”と思うのです。この世界遺産にもなった著名な像の低級なレプリカを作るという行為自体も問題にしてしかるべきではないでしょうか。

アメリカ独立戦争も、フランス革命も、多くの人が血を流し、苦闘の末に自由を手にした人類史の重要なできごとです。
像の制作依頼を受けたバルトルディがこのことを考えずに作るはずはなく、「世界を照らす自由~Liberty Enlightening the World ~」(自由の女神像の正式名称)の言葉と像の形状には、深く真摯な意味が込められていると思います。
著作権の問題がないとしても、軽々しく利用するべきものではありません。

像の設置を発案した社長が、7月4日と14日の意味を承知していてあえてこの時期を選んだというなら、そこのところはちょっと認めようかという気持ちにもなりますが、多分違うでしょうねえ~残念!

 

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