14日のイベントにつきましては、他の団体が企画する支援活動に参加するのは初めてのことであり、たいへんに貴重で面白い経験でした。
イベントの目的や大まかなスケジュールは決まっているものの、いくつかの団体やボランティアの人たちが当日顔を合わせているから、事前の明確な役割分担もなく、現場の様子を見て自由に動きながら最終的には調和し目的を果たす。東日本大震災直後の整然とした被災地の様子には、海外のメディアが驚きをもって賞賛しましたが、その力がここでも働いていたような気がします。
僕たちが目的としていた音楽での交流は果たせませんでしたが、そこに強くこだわるつもりはありません。あくまで主役は子供たち、何かの役には立てたかなという満足感を抱きながら米沢を後にしました。
この日の最終目的地は宮城県角田市でしたが、途中福島市の飯坂温泉に寄りました。
立ち並ぶ温泉宿の中、たまたま入った温泉が”鯖湖湯(さばこゆ)”という日本最古の木造建築共同浴場(平成5年に建て直し)で、芭蕉が奥の細道の途中に立ち寄ったと伝えられています。
脱衣所と洗い場の間に仕切りはありません。
蛇口やシャワーもなく、浴槽の湯を汲みながら洗います。
この浴槽の湯が飛び切り熱く、最初は足を入れることもできませんでした。
歴史に思いをはせながら、汗を流し体を休める至高のひと時を過ごしました。支援活動中とはいえ、このくらいの贅沢は許されてもいいでしょう。入浴料200円でした。
この飯坂温泉にも、公園の片隅にモニタリングポストが立っていました。
モニタリングポストとは、文部科学省が設置している放射線測定器のことです。
この機器は、福島の事故後に設置された空間放射線量を測定するタイプのひとつで、おそらくNECが製作したものです。
通称「ドロイド」と呼ばれているのは、映画「スターウォーズ」に登場したR2D2に似ているからです。
原子力規制委員会では、全国約2700箇所に設置されたモニタリングポストからの測定データを表示する専用のウェブサイトを公開しています。
しかし放射線の測定に関しては、実に多くの問題が噴出しており、その件に関しては次の報告で触れたいと思います。
ー続く