2016年12月15日19時40分、仙台港発のフェリーで帰路に就く。
翌16日昼頃苫小牧港に到着。
船倉の向こうの眩い光は、その朝積もったばかりの雪の輝きだ。
12日夜に出発してから、わずか4日の旅だった。
本当は、もっと行きたい所、やりたい事がたくさんあったのだけれど、今回は体力的にも時間的にもこれが限界でした。現地活動期間3日の間に、初めてお会いした人たちとは新しい絆を結び、再会した人たちとはより絆を固く結ぶことができたと思います。
今回の旅行でちょっと気になったことがあります。最後に訪れた伊達市のことです。
公共施設で、こんな小冊子を見つけました。
表紙に「ご存知ですか放射能?」と書いてあることを除けば、どこの町にもありそうな印刷物です。
しかしその内容にひと通り目を通した後、妙な違和感が残りました。
放射能の影響を気にすることは不健康?
ストレスを解消すれば問題解決?
なんて感じること自体ひねくれた見方で、行政としては当然の気遣い、方策だろうと思うのですが・・・。
北海道に帰ってきてから、伊達市のホームページを参照するのと同時に、他にも何か参考になりそうなものはないかな?とネットで調べてみました。
すると、大変興味を惹かれる出版物を見つけました。
タイトルは『「心の除染」という虚構』(集英社)。
著者は黒川祥子さんです。
その内容紹介を原文のまま引用します。
<内容紹介>
福島第一原発から50km以上離れている福島県伊達市には、原発事故後、風にのって放射性物質が降り注いだ。街は行政の理不尽な線引き(「特定避難勧奨地点」)によって、「避難できる人」と「避難できない人」の格差を生む。街も、人の心も分断されていく。
「除染先進都市」を宣言し、他よりも早く除染をはじめた伊達市だったが、次第に放射能汚染を過小評価し、「安心・安全」を市民に植え付けるようになり、いつしか「除染をしない都市」に変わっていった。「放射能を除染するのではなく、『心の除染』をする……」と言い出す伊達市。
放射能への不安と行政に対する不信感のなかで、子どもたちの未来を守るために、立ち上がった市民たち、分断された地域社会を取り戻すために、賠償金を勝ち取った市議会議員の奔走など……。原発事故は、私たちの人々の心に何をもたらすのか!
これはおそらく、僕の感じた”違和感”の正体を明解に教えてくれそうな内容と思われます。早速注文しようと思ったら、2月24日の発売でした。予約しましたので、読んでみたいという方にはお貸しします。