今週は仕事で東京へ出張、神楽坂あたりを俳諧しました。
最寄の駅はJR飯田橋駅ですが、駅ビルのセントラルプラザには大きなステンドグラスがあります。
フランスから帰国したばかりの僕が初めて手がけた大型のステンドグラスでした。
但しデザインは造形会社のデザイナーで、制作受注は先輩の今野満利子氏の工房でしたから、僕は制作を手伝っただけなのですが。
それでもやはり僕にとっては思い出深い作品です。
ほぼ30年前のその頃、僕は色々な意味で境目に立っていました。
体質の違うふたつの教室のどちらに重きを置くべきか?
他工房の手伝いを続けるか、自分の工房を持つべきか?
東京に住むか北海道に戻るか?
いやそもそもステンドグラスを仕事にするか否か?
女性問題もちょっとあったかな?
巨大なステンドグラスを見上げながら、甘く苦く熱いものがこみ上げてくる様な気がしました。
ステンドグラスが取り付けられた場所は、当時「区界(くざかい)ホール」と呼ばれていましたが、現在もまだその名称は残っているのでしょうか。
階段下の床に埋め込まれたプレートはそのまま残されていました。
ここから左が千代田区、右が新宿区で、ちょうどふたつの区の境目に当たるという意味です。