再び神楽坂に戻ると、文房具店の「相馬屋」があります。
原稿用紙は相馬屋でなければという文士は大勢いたようですが、石川啄木もその一人でした。
啄木は、1912年1月30日、なけなしの金を持って「夕飯が済んでから、私は非常な冒険を犯すような心で、神楽坂の相馬屋まで原稿紙を買ひに出かけた」と日記に書いています。
それから43日後、26歳の若さで亡くなりました。
大久保通りより上にまだ神楽坂は続きますが、ここで左へ曲がります。
100mほど歩くと右側に「モスバーガークラシック」の店が見えます。
普通のモスバーガーではないので、お馴染みの看板はなく、全く目立ちません。
この店名のモスバーガーは、全国で1店、ここだけだそうです。
そこの左隣にある小さな坂を上ります。
右側にかわいらしい神社がありますから、御挨拶を忘れずに。
坂を上りきった突き当たり正面はお寺、左手は墓地ですが、右手奥の1,2階が「ようこそわが家へ」、僕の展覧会場です。
昨年の展覧会の折、ここにたどり着くまで随分迷ったという人が続出、今年は地図を描き直しました。
しかしそれでもなお迷う人がいて、「ほんとに隠れ家だなここは」だって。
その通り、ここは「神楽坂の隠れ家」です。
小さな丘の上にあるため見晴らしがよく、気持ちの良い風が通り抜けていきます。
近隣の喧騒も届かず、ぶらりと立ち寄ってコーヒー一杯、静かなのんびりとした時間を過ごすことができます。
神楽坂を紹介するために飯田橋駅からの道のりを辿りましたが、一番近い駅は大江戸線牛込神楽坂駅で、A2の出口から歩いて2分くらいです。
僕の展覧会は好評(?)のため会期延長となりました。
6月24日(金)までです。
但し、途中貸切で入場できない日もありますので確認の上、お越しください。