制作工程の続き~
ベースと同じ無色ガラスを細長くランダムにカットしたものをたくさん用意しておきます。
その細長ガラスをベースの上に重ねていきます。この作業は適当にやっても進めることはできますが、実はここがとても大切なところだと思っています。
細長ガラスの太さと長さ、並べる間隔や角度、そういう匙加減に作者の感性が如実に表れますから、常に自分の感性に照らし合わせて、ずれが生じていないかどうか確認しながらの大事な作業です。
その結果フォルダーの中央部にできる穴の大きさや形が決まり、そこを通ってキャンドルの生の光が周囲に広がります。機能的にはフォルダーの心臓部と言っても良い部分です。
この種の作業はいつもネット配信のドラマを見ながらやっています。
「えっ!大事な作業なのに?」と言われそうですが、この方が自分の感性に集中し、照らし合わせたり引き出したりできるのです。意識的にゆっくりと作業するので効率は良くないかもしれないけれど、時間をかけるべき作業だと思っているから気になりません。
ちなみに最近はまっているのは、アメリカのテレビドラマ「クローザー」です。シナリオが優れているし、役者も良い。僕の好きな俳優J.K.シモンズが重要な役柄を演じています。
”警察モノ”の中では出色の出来だと思います。お勧めです。
無色ガラスを並べ終わったら、色ガラスも並べていきます。
ブルズアイ社のフュージングガラスシリーズには通常の板ガラスの他に、コンフェティ(薄片)とフリット(粒)があります。どちらもミモザの小さな花を表すのに役立ちそうです。
ガラスの種類には、単に色の違いだけではなく、透明度の違いがあります。そこが一般の絵画や他のアート作品と最も異なる点です。透明か不透明か、どのように光を透過させ反射させ屈折させるか、ということがガラス製作品デザインの重要なポイントになります。
今回の作品には、コンフェティは不透明、フリットは透明と不透明を使い分けます。
他にストリンガーという材料がありますが、これはただ真っ直ぐな細い棒なので、形に柔らかさを出すため熱処理して曲げたものを使用します。
まるで料理の材料を揃えているようですが、我々の仕事は料理と同じ、作り出したい”味”をしっかりイメージしてから調理にとりかかろうと思います。
ー続く