ステンドグラスの鑑賞方法のひとつは、ガラスを透して壁や床に映る光を楽しむことです。ステンドグラスを正面から見てその図柄を鑑賞することもできますが、それならば一般の絵画と違いはありません。ガラスを透過した光がステンドグラス特有の効果であり、ステンドグラス作家に課せられた表現方法でもあります。
CDのジャケット用に4枚のステンドグラスを作りましたが、直接正面から見ることを前提にしていないので、図柄的には少々物足りなさを感じる方も多いだろうと思います。
本来の目的である”ガラスを透過した光”を撮影するため最適の状況を待ちました。工房に射す太陽光線の強さと角度が最適なのは午前中のわずか1時間ほどです。画像データの締め切り日当日まであいにくの悪天候が続き、もうだめかと諦めかけた最後の一瞬、曇り空の一部に裂け目ができて、待ちに待った太陽光線が工房の窓から降り注ぎました。待機させていた三女の手を借り、5分ほどの間に撮影を終えました。ステンドグラスを手にもって距離や角度の調整をしたのは僕、シャッターを押したのが三女です。
数十枚の画像の中から気に入ったものを選び、トリミングしたり明るさを調整したりしたものをデータ送信、ここで僕の仕事はおしまいです。あとはグラフィックデザイナーの方におまかせです。僕の提供した画像から何を読み取り、何を表現しようとするのか楽しみです。
加工前の元画像をお見せします。
コメントを頼まれたので、そちらも載せておきます。
CDコメント 石戸谷 準
音楽家は”音“を、美術家は”光“を操って、何者かを表現しようとします。
しかし表現にはふたつの方向があって、ひとつはイメージを固定する道へ、
もうひとつはイメージを開放する道へと向かっています。
では“言葉”はどうでしょうか?「さすらへ」というこのCDのタイトルは、
自由なイマジネーションの入り口になることを期待して、
ジャケットのデザインと共に提案させていただきました。
CDの完成、発売は今月の末、楽しみだねぇ~、なんてのんびりしていたら、今朝の小野さんのFBに「早くできたから本日発売!」って書いてある。完成したジャケットの画像まで載ってるじゃないか!完全にネタバレだ!大急ぎでこのブログ書きました。