8月6日~10日まで5日間のエッチング夏期講習が終わりました。
課題は「タンポポ」。
初日の朝、まず受講者にやってもらったことは、工房の向かいの広い空地に行ってタンポポを摘んでくることでした。
(上江別小学校エントランス「飛び立つ花」)
あいにくとすでにタンポポの最盛期は過ぎて、やっとみつけた数株は小さな頭花をひょろひょろと頼りない茎が支えていて、絵のモデルにするには貧弱すぎました。
しかしそれでも、自らタンポポを探し、摘むという行為には大きな意味があるのです。
(トンデンファームレストラン「タンポポの園」)
ステンドグラスの制作は、製図からガラスカット、組み立てまで、ほとんどが机の上で終わる作業です。
けれどもステンドグラスは机上の工芸品ではありません。
完成品は窓に設置され建物の、また環境の一部となります。
そのときカーテンや壁紙同様の単なる装飾品となるか、あるいは作者の心を表現した作品となるかは、すべてデザインに由っています。
(「タンポポの園」部分)
デッサン(写生)はちょっとしたコツを覚えれば誰でも簡単にできますが、デザイン(作画)はかなり難しいものです。
デッサンは紙の上で解決できるけれど、デザインは自由な想像力を必要とするからです。
そして想像力は無から生まれるものではなく、様々な実体験がその礎となっています。
(「タンポポの園」部分)
で、まずはタンポポの元へこちらから出かけていくという実体験をしていただきました。
そうしてデザインした受講者のステンドグラスが完成する前に、もうひとつの実体験、ステンドグラスの設置場所見学を講習の中日に行いました。
時間があまりなかったので、江別市内、僕の作品ばかりでしたが、その一部を紹介します。
(第二大麻幼稚園「二つの翼」)