北海道立近代美術館は、1977年の開館前からガラス作品の蒐集に力を入れていました。しかし僕は、ちょうどその時期日本を離れていたために、札幌出身でありながら近代美術館の何たるかを知らず、ほとんど関心がありませんでした。
初めて近代美術館を訪れたのは1984年、自分の盗作疑惑を晴らすためでしたが、その期待は見事裏切られました。
これが大伴二三弥氏から類似を指摘された件の作品「街景」です。
作者はジェイ・マスラー(米国)。
45cm×20cmのボール状の作品です。
1982年、近代美術館が開催した「世界現代ガラス展」では、優秀賞を受賞しています。
対する僕の作品は、「Vibrationーヴァイブレイション」というタイトルです。
全体は2m×2m、この画像はその一部です。
作品全体では原子の振動と物質の結晶を表し、それを飛び越え一気に人間の営みを表現した部分が最上部の形です。
事前に情報を得る時間がなかったため、近代美術館で初めて「街景」を目の前にした僕の感想は、「似ている」どころではなく「同じだ!」でした。
ー続く