雑記帳

人を知り文化を知る

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ボザール工房が主催する3年に1度のヨーロッパ研修旅行、出発の日が迫っています。

今回は、まずウィーンに滞在しクリムト展を見て夜はコンサート、次にスイスへ飛んでチューリッヒとルツェルンへ行き、そのあと電車でフランスへ入って、コルマール~ストラスブール~ランスを訪れてからパリへというコースです。

僕を入れて総勢9人の小さなグループですが、僕1人で案内するのはこのくらいが限度です。
グループの中には何度も海外旅行をされているべテランもいれば、今回が初めてという方もいらっしゃいます。
                                                                                           

いずれにしても、普通の団体旅行では望めない貴重な体験をしていただくことが目的でして、過去7回の旅行では多かれ少なかれ(良かれ悪しかれ)目的を果たしたものと自負しております。

「どこが違うの?」と聞かれることがあります。日程表を見る限りでは、大聖堂や美術館などの名前が連なって、一般の団体旅行と変わらないように見えるかもしれません。しかし方針が違うのです。
ボザール工房の研修旅行は、名所旧跡を巡り美術品を鑑賞する旅ではなく、人を知り文化を知るための旅です。観光スポットを短時間で駆けずり回り、お仕着せの食事で済ませているような旅では、帰国後に感じるのは疲労感と虚脱感だけということになってしまいます。本当の旅の後には、かけがえのない時間を過ごしたという充実感と共に、新しくなった自分を感じ、生命力が沸いてくるものだと思います。

具体的に言いますと、僕はまず下調べは最低限にしかやりません。だから現地に行って迷ったり失敗したり、変更や取り消しがあります。普通の旅行なら苦情の対象ですが、ボザール研修旅行の参加者たちは、僕に任せておくと大変ということを悟ると、自分で地図を見たり、道行く人に尋ねるようになります。
チャーターバスなど論外ですがタクシーを使うこともめったになく、バスや地下鉄など現地の人々が使っている公共機関で移動します。
場合によってはその日のホテルを予約してないこともあり、「えっ、ホテル決まってないの!?」と慌てる人もいたりして面白いです。
起床の時間は決まっていません。皆が起きて朝食を食べ終わり顔ぶれが揃ったら出発します。
美術館などの滞在時間も決まっていません。皆が見終わって満足したら、次の場所に移動します。
時間にはルーズです。時計が必要ないくらいです。
食事は現地の人が集まっているレストランを捜し、メニューは上から下まですべて読んで説明します。だいたいそれで30分は使いますから、食事時間も2時間くらいはかかります。最初はそれを苦痛と思う人も多いのですが、旅の終わりころにはそれでも足りないくらいになります。
昼からビールやワインを飲みます。サンドイッチなど買って、食べながら歩いたりもします。
疲れたら一人だけホテルに帰って休むのもOK、元気が余っている人は夜中に遊びまわってもOKです。僕も付き合います。

旅行期間は16日間、通常の旅行より長めですが、何かをつかみ自分の血肉とするには最低限必要な日数です。
西洋の芸術がどのような人たちによって育まれ、どのような文化の中で発展してきたのかということを、現地の生活に溶け込むことにより実体験として勉強してきたいと思います。

明後日出発、しばらくブログは書けません。
FACEBOOKには時々登場するかも。

では行ってまいります。

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