2011年3月の東日本大震災の後、自分に何かできることはないか、と考えたときのことをブログに書いています。
→ 「何ができるだろう?」
その時たまたまわたせせいぞうさんからお誘いがあって、仙台でのチャリティー展に参加させていただきました。時期は7月、展覧会の会場を抜け出して被災地へと出向きましたが、その予想以上に悲惨な光景に言葉を失いました。テレビや新聞で見る被災地の画像は、全体の極一部を切り取ったものにすぎず、実際は見渡す限りと言ってよいほどのあまりに広大な地域が根こそぎ失われているのだということが分りました。何ができるだろう?なんてことより、自分には何もできそうにないという無力感の方が強く、落胆した気持ちを抱えたままその場を去りました。
その後、友人の小野昭一氏が立ち上げた支援活動「タングロン支援基金」に参加することにより、津波の被災者に対する支援活動が主に原発の被災者に対する活動へと変転しました。
この活動は何よりも”続ける”ということに主眼を置いてますので、自分のできる範囲の実に小さな支援です。小野氏を筆頭に協力者たちの数名がこれまでに何度か現地を訪れています。
これまでの主だった活動内容は、まず”タングロン”を届けること。
参照;「”金よりモノ”、”モノより人”」
北海道の安全な食品、主に野菜を届けること。
小野氏のラブフルートをメインにしたコンサート活動。
保育園の園児や職員との交流。
仮設住宅に住む人たちとの交流、等々です。
さて今回は僕も現地へ行って、上記の活動に参加することにしました。小野氏と二人、車にびっしりと荷物を詰め込んで、明日10日の夕方、苫小牧からフェリーに乗り仙台へと出発します。訪れる場所は、相馬市(福島県)と米沢市(山形県)他数箇所。全7日間の旅です。
実は僕には隠れた目的がもうひとつありまして、それは自分の仕事”ステンドグラス”を利用して何かができないかということです。被災地では、経済的問題のみならず住居や仕事、教育や医療、介護などありとあらゆる問題が起きているようですが、それらすべての事象の根底にあるのは心の問題ではないかと思うのです。芸術は人の心を扱う人間の技です。ひとつの歌や一枚の絵が、つらい経験や苦しい状況から心を救い出してくれたり、生きる気力を与えてくれたりします。ステンドグラスで何かができないでしょうか?金銭や食物のような即効性はないけれど、長い時間をかけて少しずつ人の心を癒し明るくする力があると信じています。
活動の内容は、一週間後、戻りましてから詳しくご報告します。