雑記帳

原子力発電所とは・・・ーその1-

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質問です。
あなたが東京ドームのグラウンドのどこかに立っているとして、槍を持った観客が一人、グラウンドに向かって(特にあなたをねらってというわけではなく)その槍を投げ入れたとして、あなたに当たると思いますか?
まず当たることはないな、と大抵の人は考えるでしょう。
では100人の観客が100本の槍を投げたらどうでしょうか?
これも多分大丈夫。
千人だったら?1万人だったら? だんだん危険度は増してきます。
10万人だったら? 2~3本あなたに命中しそうです。

福島原発災害の報道を連日注目していますが、どうも真実が伝わっていない感じがします。
20数年前、北海道泊原発の建設阻止運動に参加し、裁判では原告の一人として名を連ねましたが、そのときに勉強し、得た知識と、現在報道されている事柄との間には微妙なズレがあります。意図的にずらしているのかと疑うほどです。
今回のような災害時や、特に原発事故のときなど、大切なのは真実を敏速に伝えることだと思います。それが為政者や企業にとってまずいことでも、人々がパニックを起こすほどショッキングなことであったとしても、やはり真実を伝えるべきです。
ベクレルとかシーベルトとか、数値を並べ立てるほど真実から遠ざかり、混乱していく気がします。
冒頭の少々回りくどい質問は、放射能について分かりやすく説明するため僕なりに考えた例題です。

原発について言いたいことはたくさんありますが、今すぐ必要と思われる二つの知識に集約します。
1、放射線と放射能(放射性物質)は違う
2、放射線及び放射能に安全値はない

先の例で言うと、槍が放射線で、それを投げる観客が放射性物質です。
放射線は一過性のものですが、放射性物質は数日~数十億年の間放射線を出し続けます。
自然界の宇宙線も、病院のレントゲンやCTスキャンも放射線で、その量に比べれば今回の放射能漏れ測定値は微々たるものだから”ただちに”健康に影響を与えるものではないと報道されていますが、誤解を与える表現です。
”ただちに”影響はないとしても、長期的には影響があるということをはっきりと伝えなければなりません。福島原発から洩れているのは、放射線ではなく放射性物質だからです。

ー続くー

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