雑記帳

時は虹色に輝くーその23-

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大きなパーツで一番最後に残ったのは”空”の部分です。
原画段階では抽象表現にする考えでしたが、具象寄りの表現にすることに変更しました。

 

まずは雲の明暗を分解して平面構成をします。

時は夕刻、沈みかかった太陽の最後の光が、雲の縁を眩しく輝かせています。

空の色は深まり、すでに最初の星が瞬きはじめた瞬間です。

イラスト的な表現ですが、ある程度のリアリティーを感じられるようにしたいと思いました。

リアリティーという観点から見ると、何かが欠けています。
雲の量感、空の奥行き、つまり空気感がないのです。

 

 

筆に薬品を付けて、絵を描くように腐食します。

 

雲は小さな水滴の集まり・・・

大気は上に行くほど薄く冷たい。

 

さらにその上は、漆黒の宇宙に広がる銀河・・・。

 

 

 

 

空は不思議です。

子供のころのある日見た空が、いつまでも記憶に残って消えません。そのときの空腹感や通りに立ち込める魚の焼ける臭い、砂利道のゴム底に当る感触まで、似たような空を見たとき鮮明に蘇ります。

僕の記憶の中にあるそんな空を描いてみましたが、多くの方に共通する記憶ではないかと思います。

ー続く

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