反射光を利用する素材としては、金箔の他にラスター彩ガラスとハーフミラーとダイクロガラスを使用しています。
ラスター彩とは、9世紀以降のイスラム陶器によく見られる金属的光沢のことですが、ガラス器にも応用され、比較的最近ステンドグラス用のガラス板としても生産されるようになりました。
このガラスは、白色のオパールセントガラスにラスター彩を施したもので、シャボン玉の表面のような虹色に光ります。
ハーフミラーは、別名マジックミラーとも呼ばれるもので、警察の取調室にあるやつです。(本当にあるのでしょうか?)難しく言うとビームスプリッター(光束を二つ以上に分解する装置)の一種で、反射光と透過光の量がほぼ半々のものをハーフミラーと称します。表面の鏡(金属薄膜)をフッ酸で溶かすと曇りガラス状になります。その様子は、大体の想像がつくと思いますので、画像は省略します。
ダイクロガラスは、正式にはダイクロイックミラーという名前のやはりビームスプリッターの一種です。しかしハーフミラーのように反射光と透過光の量を調節するだけでなく、特定の光線を選別したり、透過光や反射光の角度を変えたりする能力を持っています。つまりそれは、鮮やかな色彩と、見る角度によって色が変わるということを意味しています。
正面から反射光で見たダイクロガラス。
少し緑色がかった金色に輝いています。
同じ位置から透過光で見ると、金色の反射は消え失せて、鮮やかなスカイブルーとなります。
右側から斜めに見るとピンクがかった紫色に変わります。
さらに下方向から見ると、ピンクと黄色です。
このガラスは大変魅力的ですが、あまりにも自己主張が強いので(そういう人が昔いたなあ~)、フッ酸で適度に金属膜を剥がして無色化し、少々大人しくなってもらいます。そうすることで周囲のガラスとの協調性が生まれます。
ー続く