9月の11日から17日まで大阪で展覧会を開催します。
関西方面で建物に作品を収めたことは何度かありますが、展覧会という形で作品を見ていただくのは初めてのことです。
僕が展覧会をしようというときには、いつも二つの条件を満たすように考えています。
ひとつは、会場に自然光の入る窓があること。
ステンドグラスというとランプを連想する方も多いのですが、僕は建築に取り付けるパネルが専門なので、展示にはどうしても窓が必要です。
そして、窓しか使わないために、ふたつ目の条件となります。
つまり、窓以外の部分、内部空間を使ってくれる人を捜すこと。
何もない無機質の展示空間で純粋にステンドグラスだけを鑑賞する、という状況を僕はあまり好みません。
何らかの用途、例えばレストランとかショップとか、居間や玄関でも構わないのですか、そういう風に何かに使われている有機的な空間でこそステンドグラスが生きると考えています。
だから、展示会場の場合は何か異質なもので内部空間を使ってもらった方が、場合によってはそのせいでステンドグラスが時折見えなくなったりした方が良いのです。
で、今回その内部空間を使ってくれる人は(というより展覧会のパートナーと言うべきと思いますが)、陶芸家の上島英揮氏です。
http://www.notostyle.jp/index.php?id=448&listid=81
彼は30年来の僕の友人ですが、知り合ったころは陶芸家ではありませんでした。
石川島播磨で石油プラントの設計に携わっており、サウジアラビアなどに滞在し仕事をしていました。
それがあるとき突然に会社をやめてヨーロッパを放浪し、個人輸入で収入を得る時期を経てから、偶然のきっかけで陶芸の道に入ったわけですが、僕は上島さんには石油プラントの仕事より何らかの創作の仕事の方が向いていると思っていましたから、その選択に驚くことはありませんでした。
上島さんがヨーロッパ放浪の旅から戻ったとき、「いやあ~、向こうの電車の中で準さんの友人の日本人女性に会ったよ」と嬉しそうに報告してくれました。
その女性とは、僕が東京に住んでいた当時よく通っていた新宿の「火の子」というスナックのカウンターで度々顔を合わせる人で、僕が最も楽しく会話ができる飲み友達の一人でした。その人に上島さんが偶然にもヨーロッパ旅行中出会ったということで、ある日二人連れ立ってその女性が住むマンションへ遊びに行くことになりました。
ー中篇に続くー