第15日目(11月1日) :
いよいよ帰国の日、この回で旅行報告もやっと終了します。
今回お世話になったホテルは、ほぼパリの中心に位置し、交通の便が非常に良いところでした。
最寄のメトロ駅は”madeleine(マドレーヌ)”でしたが、最近大きな改装工事を行ったようで、通路にステンドグラスが取り付けられていました。
僕の知っている限りでは、パリのメトロ駅でステンドグラスを設置した初めての例だと思います。
使用しているガラスはすべて特製の厚板ガラスです。
通常のダル・ド・ヴェール(厚板ガラス)ですと厚みが20~25㎜ですが、この作品のガラスは厚さ10㎜くらいに見えました。
ひとつひとつのガラス片に浮き彫りで番号がふられていますが、制作上必要でもありデザインの一部でもあったのだと思います。
真鍮や銅などの金属を立体的に使用しています。
ガラスとガラスの間は金属のバーを這わせ、と言うより金属の網目を先に作り、その形状に合わせてガラス片を作ったのでしょう。
豊かな発想と、それを実現させるための確かな技術が緻密に合体し、素晴らしいステンドグラスを完成させています。
作品のタイトルは“Ryaba la petite poule aux œufs d’or(金の卵の小さな鶏リャバ)“です。
作者はIvan Loubennikov(イワン・ルーベニコフと読むのでしょうか?)というロシア人、2009年の設置です。
出発の日の朝、15分しか時間がなく、あわただしく朝食をすませました。
ホテルのレストランは地下にあり、ワインセラーのような造りです。
ステンドグラスが照明として使われています。
ホテルを出てから成田空港に到着するまで17時間ほど、飛行機の中で日付が変わります。
いつも思うことですが、長いようで短い、あっという間の16日間でした。
ー終わりー