雑記帳

続・幸せのひと時

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2010年の正月を過ぎたある日、芙美さんから突然電話がありました。
「去年の暮れに日本に帰って来ちゃったのよ。神楽坂でギャラリーを開こうと思うんだけど、手伝ってくれる?」とのこと、それから約4か月後に「フランス画廊」をオープンさせ、僕が栄えあるオープニング展をやらせていただきました。

そのあたりの顛末は、こちらを参照ください。
「ようこそ わが家へー前編、後編-」

音楽家のお姉さま淳美さんも当初から参画していましたので、音楽と美術の両輪が揃い、さらに語学や料理、写真や生花など、様々な分野の方々が集って、総称「Bienvenue chez nous(ようこそ わが家へ)」にふさわしい多目的アートスペースとなっていきました。その後間もなく淳美さんが亡くなられるという悲しい出来事がありながらも、それを乗り越えつつ活動の幅を広げていた芙美さんでした。

僕は仕事で上京する度に芙美さんのところへ寄っていましたが、行く日の朝電話をすると、「タリーズで待ち合わせて朝食にしましょ!お金ないからご馳走してね」なんてことも時々ありました。芙美さんからそんなことを言われるのは多分僕だけかと思うのですが、そういうのは嫌いじゃないんです。

最後に芙美さんに会ったのは2年前、ボザール国内見学旅行の最終日です。その日以来2年間、今日に至るまで僕は上京する機会がありませんでした。

 

芙美さんとはよく一緒に食事をしましたけれど、その日、神楽坂のガレットの店「ル・ブルターニュ」でのランチが最後の食事になるなんて夢にも思わなかったことです。

芙美さんが大好きだった店、大好きだったガレット・・・

僕の長女がこの店でしばらく働いていました。

芙美さんは、僕のFBの記事をいつもチェックし、こまめに”いいね!”を押してくれていました。このブログにも必ず目を通しており、「会わなくても近況がわかるわね」と言ってました。時折「何つまんないこと書いてんのよ」なんてお叱りの言葉もいただいてましたから、なんとはなしにいつも芙美さんの目を意識して書くようになっていました。

今こうやって書いていても、まだどこかで芙美さんが読んでるみたいで、「もっといい写真なかったの?!」なんて言われそうな気がしています。

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