9月5日、土曜日の未明、僕の親友松谷芙美さんが亡くなりました。
知り合ったのは1977年の夏、南フランスにあるニース大学のキャンパスでした。学生食堂の入口で、誰かにチケットを譲ってもらおうと待ち構えていた僕の前に現れたのが芙美さんでした。そのとき23歳だった僕にとって5歳年上の芙美さんは随分と大人に見えたし、実際僕を子ども扱いしてました。
芙美さんと僕は、それぞれ何度も住処を変えて、その度に連絡が途絶えたりもしましたが、不思議とまたどこかで出くわすことの繰り返し、「これはもう腐れ縁だね」と言い合っていました。
この写真は1998年、ニースの海岸を見おろす丘の上のカフェの一コマです。
ボザール工房の研修旅行でしたが、妻と二人の娘も同行していました。
我が家族にとっては、忘れ得ぬ夏、最高に幸せなひと時でもありました。
同じく南仏アンティーブのクレープ屋での昼食。
そのころ結婚し南仏の田舎で一緒に暮らしていた芙美さんのパートナー、ベルナール氏も一緒です。
後に日本に戻ってきた芙美さんの口からも「あの頃が最高に幸せだった」と聞かされて、胸が熱くなる思いがしました。
この写真の数年後、芙美さんはベルナール氏と別れてパリに戻り、再び一人暮らしをするようになったからです。
ー続く