子供の頃はただ楽しみだったはずのクリスマスが、いつの日からか不愉快な気分が混じり始め、近年では苦笑いにも似た複雑な心境でその日を迎えるようになりました。自分が大人になったせいばかりでなく、世の中が変わってしまったのだと思います。
元来クリスマスとはどういうものであったか、ということに関しては昨年のブログに書きました。
「聖ニコラオの奇跡」
しかし、時間の流れと共に物事の意味が変わっていくのは致し方ないことです。今さら、クリスマスを本来の姿に戻せなどと主張するつもりはありません。
昨今のクリスマスがあまりに商業的すぎるとは思いつつも、その流れに乗って動き回る自分がいて、その姿をとまどいながら眺めているもうひとりの自分がいます。
クリスマス~キリスト教~ステンドグラスという世間のイメージに便乗して、早くから売る側の立場で活動しているのは前回のブログで紹介した通りですが、買う側の立場としては、昨日やっと動き始めました。しかし現在、ちょっとしたピンチ状態に陥っています。
「ル・カルム」にクリスマスケーキを予約しようと電話したら、すでに予約で完売し、これ以上は作れないとのこと。(開店後ずっと完売が続いているようで、おめでとうございます)
モスバーガーのチキンの予約も同様、昨日で締め切りましたとつれない返事。(いいよ、ケンタに行くから。でも多分向こうもだめだろうな)
積極的にクリスマスを祝おうという気もないのに、世間並みのことをひととおりやろうとすると、出遅れてこういう結果を招きます。
最近流行のイルミネーションも昨年買いました。
豪華に飾りつけようというほどの意欲はなく、LEDのセットをひとつ買ってきて、家の玄関前にちょうど良い具合に一本だけ立っている小さな松ノ木に巻きつけたら、超質素なクリスマスツリーとなりました。
そこで今年はもうワンセットLEDを付け足してみましたが、ご覧の通り、大して変わりはありません。
この時期やたらに聞かされるクリスマスソングの大半は、若いカップルの恋愛模様を歌ったいわゆるラブソングで、クリスマスとは何の関係もないものばかりです。しかも巷では、クリスマスイヴは男性が女性に尽くす日で、高価な装身具をプレゼントし、高級レストランのディナーに御招待、さらにその夜を過ごすホテルの部屋まで予約しておくのが当たり前になりつつある、なんて聞くと「何だとぉー!」と苦笑いが怒りに変わってしまいそうになります。
そんなカップルにプレゼントしたい曲があります。
火照った頭に冷水を浴びせて冷まし、現実を正しく認識できるようにしてあげたいという、クリスマスらしい慈悲の気持ちからと思ってください。もしかすると単なるやっかみかもしれませんが。
さだまさしさんの「遥かなるクリスマス」。
この曲を反戦歌だと分類する向きもあるようですが、さださんはそんなつもりで作ったわけではないでしょう。この曲は、僕のように、クリスマスを無条件に楽しみたいと願いつつも、それができない人間の心情を歌ったものだと思います。
多分さださん自身がそうなのでしょうね。
それにしても、この曲を聞くべきカップルが、僕のブログを読むなんてことはありそうもないなあ~。